Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「チェ・ゲバラ」Tシャツでの入館を衆議院議員会館が阻止 市民が抗議

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
週刊金曜日

 チェ・ゲバラ(1928~67年)といえば説明するまでもなくキューバ革命(53~59年)を成就させた歴史上の革命家だが、こともあろうにそのゲバラの肖像が胸にプリントされたTシャツを着用して東京の国会議員会館に入ろうとした市民が、それを理由に入館を阻止される事件が起こった。  8月24日正午過ぎ、同館周辺で座り込み行動「国会開け!アベは責任とり辞めろ」を行なっていた「議員会館前座り込み実行委員会」メンバーの一人、石垣敏夫さんが入館証を得たうえで衆議院第二議員会館内に入ろうとしたところ、同館の警備員3人が「あなたのTシャツは裏返しにして着用しなければ入館させません」と阻止した。彼らはその理由を「会館の規則」「政治的主張のあるもの・中立に反するものだから」などと述べたという。石垣さんや同行していたメンバーは当然これに抗議。現場に駆けつけた警備員の隊長が謝罪し入館はできたものの、石垣さんたちの「これは人権侵害だ。書面で回答を」との要望は拒否され、2日後の26日以降、両者間で話し合いが行なわれることとなった。石垣さんと事件当日同行していた武内暁さんほかメンバー各氏も同席。議員会館側からは衆議院事務局管理部議員会館課の古山良行課長や、当該警備員の上司で同議員会館サービスセンターの中村元氏らが毎回同会館内で応対した。

【会館側対応はしどろもどろ】

 前述の通り議員会館側は24日の事件発生直後に謝罪を表明。ただ同時に入館時の禁止基準を問われて「ワッペンは良いがタグは許可しない」と述べたほか、2日後には、タグもワッペンも含めて検査しないが「極めて不適切な表現記載についてはお声をかけさせていただく」などと訂正したためさらに批判を浴びる形となった。ちなみに議員会館の内規「館内及び構内の禁止事項」には全20項目中の(4)として「鉢巻き、たすき、ゼッケン、腕章(議院制定の通行腕章を除く)等の着用」とあるが、前記のTシャツ等がこれに該当するか否かも会館側の説明は不明瞭。そもそもこの内規には冒頭「セキュリティ等を確保するため」という趣旨が記載されているが、ゲバラの顔が描かれただけのTシャツに具体的にセキュリティ上のどんな問題があるというのか? 「表現の自由に関わる問題だ」と石垣さんたちは憤る。そこへまた火に油を注ぐかの如き効果をもたらしてしまったのが、9月11日に行なわれた両者間の三度目の話し合いの席で会館側が出してきた「ご来館時の警備員の対応についてお詫び」という文書だ。前出の古山氏と中村氏の連名で「座り込み実行委員会」に宛てられたものだが、120文字程度の文面に「着衣について警備員が誤った判断によりお声掛けをしてご入館を制止し(中略)石垣様に大変ご不快な思いをお掛けしましたこと」を謝罪する旨があるのみ。入館阻止が具体的にどのような根拠のもとに行なわれ、そのどの部分に問題があったのかも言及は皆無だった。 「こんなものは受け取れない!」と石垣さんたちが激怒したことは言うまでもない。当日は私もその場で双方の「話し合い」の様子を取材者として見ていたが、会館側(古山氏・中村氏を含む4人)の対応は終始しどろもどろ。結局、「お詫び」は突き返され、改めて9月23日14時から四度目の話し合いが行なわれた。その後、10月2日14時にも話し合いを予定。  国会議員会館では過去にも入館者が着衣などをめぐり咎められた例がある。こうした実態は早急に、それこそ会館の主、国会議員も対応に乗り出す形で改めるべきではないか。国際的に見ても笑いモノ……いや、チェ・ゲバラだったら「君たちは腹が立たないのか?」って草葉の陰で泣くぞ! (岩本太郎・編集部、2020年9月11日号に加筆)

【関連記事】