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凄くないニッポンの凄く高いスマホ代

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Book Bang

 東大法学部から電電公社に入って米国でMBAを取り、NTTでグループ会社の役員を、総務省の研究所でも役員を務めて今年古希。そういう超ハイレベルな超ベテランの超インサイダーが「『私憤』ではなく『公憤』に駆られて著した」のが『スマホ料金はなぜ高いのか』だもの、通信会社から監督官庁、与野党の族議員までの探られて痛い腹をぐりぐり探りまくりです。  ニッポンの通信料は高くないと統計で嘘をつき、電波競売を避け、天下りし続ける自称公僕。海外進出で大損コいて国内に逃げ込み、NTTを「幕府」化させて世界の進化から落ちこぼれさせた自称経営者。この連中が揃って無名の傘に逃げも隠れもできているのは、悪名をすべて孫正義が担ってやってるおかげにさえ思える。さんざ騒いで電波利権にありついた後、寡占の利益を寡黙に享受してるくらい、可愛いもんだもの。  著者の山田明は、大儲けしてきたアッチ側の出身なのに、大損させられてきたコッチ側の視点を失わないのがありがたく、また、超の付くインサイダーだけに、スマホ料金を引き下げるための処方箋をきっちり提示してるところが頼もしく。  版元はこういう書き手を続々見つけて『~はなぜ高いのか』シリーズを始めるといい。凄いすごいと己を褒めるようになったこの国には、凄くないらしい国々より凄く高いモノが山ほどあるから。新幹線料金、高速料金、電気料金、CM料金、ガソリン、ビール、バター、その他いろいろ。 [レビュアー]林操(コラムニスト) 新潮社 週刊新潮 2020年8月6日号 掲載

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