「クボ交代、早すぎでは?」久保建英EL1ゴール1アシストの一方でダービー敗戦後、記者の質問に監督が“意外な答え”…過密日程ソシエダの悩み
ELアヤックス戦で1ゴール1アシストの大活躍を見せる4日前のこと――久保建英はレアル・ソシエダの一員としてラ・リーガ14節、敵地での対ビルバオ戦、“バスクダービー”に臨んだ。この一戦の撮影に当地を訪れた。 【新着写真】「よ、4人に囲まれてるのに…」久保のELスーパーゴールも。「タケ・クボ、ヤベえって」ダービー敗戦も宿敵の相手から絶賛とハグ…されるほどキレキレすぎ久保建英のプレーを全部見る
あの辺でタケにボールを持たれるとヤバい
ビルバオはその名の通り、バスク州ビスカイヤ県の県都ビルバオをホームタウンとする。またソシエダは、バスク州ギプスコア県の県都サンセバスチャンをホームタウンとしている。このバスク州を代表する2大都市をホームタウンとする両者の対決は、バスクダービーとして知られている。 ピッチの上ではプライドとプライドが激しくぶつかり合い、またスタジアムからはアウェイチームに向けての容赦のない野次が飛ぶ。 しかし、今なおそのルーツは謎に包まれているとさえ言われる、“バスク人”という民族的なつながりから友好的なダービーともいわれる。確かに観客席を見渡すと、友達同士、カップルや夫婦から祖父と孫娘といった幅広い層で赤と白、青と白と、別々のユニホームを纏った姿が容易に見つかる。 「ビルバオファンとしては言いたくないけど、Takeはすごい選手だよ。(ピッチを指差し)あの辺でボールを持たれるとヤバい」 大学時代に出会った友人同士での観戦のサポーターは言う。またカップルのサポーターは、 「Take Kuboのことはもちろん知ってるわよ。彼氏に合わせてソシエダの試合も見(させられ)るから活躍を知っているの」、「それぞれのチームのことで喧嘩になることはないよ」と答えてくれた。 11月24日、向かったビルバオでは生憎の曇り空が迎えてくれた。 空港から市内へ向かうバスがトンネルを抜けると、目の前に金色の巨大な塊が現れ、赤がシンボルカラーの橋が市内への入り口となる。金色の塊はビルバオ・グッゲンハイム美術館だ。美術館の脇を走る川沿いでは、ビルバオの街を背景にマラソン大会が行われていた。
日本代表後の長距離移動でもダービーの先発に
キックオフは21時だが、お昼時にはすでにユニホーム姿でワイン片手に盛り上がるサポーターの姿にダービーへの意気込みが伝わる。その意気込みはそのままキックオフを待つスタジアム内部に持ちこまれる。ホームカラーのモザイクと野太い歓声がスタジアムを包む。 その中に久保も先発イレブンとしてピッチへ登場した。 代表ウィーク明けとなったこの試合、久保はW杯アジア最終予選を戦った日本代表での試合から合流している。長距離の移動や時差の影響もあったはずだが――大事なダービーへの先発に名を連ねた。 試合は序盤から、ホームチームのビルバオが支配する時間が続いた。その中で最初の違和感は、久保の守備時のタスクが以前のものに戻ってしまったことである。 前節対バルサ戦、今季ベストゲームで勝利したソシエダでは、守備時の久保のタスクが、それまでとは変わり相手サイドバックへの対応ではなく、CBへのプレスに変更されていた。これにより守備時の久保の負担が軽減されただけでなく、本来久保が持つ前向きな守備への特性が活かされ、バルサ守備陣へ大きな影響を及ぼしていた。 この戦術的変更が、ある意味バルサ戦勝利の大きな要因と見えていただけに……キックオフと同時に久保が相手SBへの対応に追われたことは不思議だった。