怒り(10月13日)
怒りのピークは長くて6秒ほど。うまくやり過ごせば、心をある程度、沈静化できるそうだ。いら立ちなどによる衝動的な言動を抑える「アンガーマネジメント」の手法の一つでもある▼怒りの感情は、大切にしてきた価値観や理想が裏切られた時に湧き上がるという。不安や不満をため込んでいると、火種はさらに激しく炎上しかねない。さまざまな価値観が絡み合い、ぶつかり合うのが日常ならば、一瞬の発露がさまざまな社会問題を引き起こす▼客が企業や役所の窓口で、もしくは電話越しに理不尽な要求を突きつけるカスタマーハラスメントへの対策が加速している。東京都議会で全国初の防止条例が成立した。本県、県内金融機関も毅然[きぜん]と対応する意思を示し始めている。一瞬の怒りが取り返しのつかぬ結果を招いてしまう例は少なくない。パワハラ、モラハラ、あおり運転…。自身が被害者や加害者になってしまったらと想像すると、心も穏やかではなくなる▼家庭に職場、学校で思わず感情が高ぶってしまうこともあるだろう。そんな時こそ、自身の心を上手にマネジメントしていきたい。怒りの沸点の持続時間は、わずか「6秒間」。さあ、深呼吸を。<2024・10・13>