<私の恩人>ふかわりょう、ウッチャンに開花させてもらった!
まずはじめに、テレビに出るための自己紹介として、もちろんネタは必要だと思うんです。ただ、その後は、その人の人間としての面白みみたいなことがないと、出続けられない。ある意味、最も大切なそこを内村さんに作り上げていただきました。ネタをやってきた僕にとって、一番鍛えていなかった部分を鍛えてもらったんです。 内村さんを一言で言うと、そうですね…、う~ん…、太陽みたいな方ですね。フツーの表現ですかね(笑)。でもね、今になると、本当にその言葉がピッタリくるんです。人に光を与えて、照らすんですよね。いろいろな形で。 今、有吉(弘行)には光が当たっていますが、内村さんは、ずっと前から光を当て続けてました。その人が人気だから、旬だから、流行りのギャグを持っているから、そこに光を当てるというのではなく、もっと内面というか、時代が照らすものとは違うところを照らす。 だから、語弊を恐れずにいうと、ちょっと旬が過ぎたような人にこそ光を当てて、少し前まで光が当たっていた裏側みたいな部分を照らすんです。それによって、内面からにじみ出る面白さを引き出していく。それがまた時代にあってきたり、時代を作ったりもする。内村さんに照らされた人は、本当にたくさんいます。 とりわけ、僕は光を当ててもらった人間だと思いますが、中でも一番ありがたかったことがありまして。今もそうですけど、僕はずっと音楽をやっていて、DJとしても活動しているんです。ただ、これを褒めてくれる人、後押ししてくれる人なんてまったくいなかった。お笑いをやって、音楽もやるということを、あまりよしとしないというか。もちろん、そう考える方々の思いも分かるんですけど、本当に誰もポジティブなことを言う人はいなかったんです。 そんな中、内村さんが初めて監督を務めた映画「ピーナッツ」(2006年公開)が作られた。そこで内村さんは、僕に音楽を任せてくださったんです。「君の音楽はいいから、頑張ってね」と言われることももちろんうれしいですけど、自分の大切な、大切な、映画監督デビュー作に僕の音楽を使う。「俺はふかわの音楽を評価しているよ」といった言葉を100並べられるよりも、その1つの事実がこれ以上ない後押しとなりました。