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アビガンも期待薄? コロナに本当に効く薬はあるのか

配信

ニューズウィーク日本版

<中国で闇市場でのパニック買いが起きた薬>

<カレトラ(一般名ロピナビル・リトナビル)> Lopinavir/Ritonavir 抗HIV薬 カレトラは、ロピナビルとリトナビルという2種類の抗HIV薬の混合薬。日本でも新型コロナウイルス感染者に早期から使用されており、中国やインド、オーストラリアなどでも用いられている。 プロテアーゼ阻害剤(タンパク質分解酵素を妨げる物質)に分類され、ウイルスの転写・複製を可能にする酵素を阻害する働きを持つ。先行研究では、同じくコロナウイルスによって引き起こされるSARSについてもウイルス増幅抑制に効果が見られたと報告されている。 1月中旬から新型コロナウイルス感染者への臨床試験が行われた中国では、医療機関で抗HIV薬が使用されたという報道を受け、在庫を手に入れようと闇市場でのパニック買いが起きた。 オーストラリアのクイーンズランド大学臨床研究センター長のデービッド・パターソンは、「(オーストラリア国内での)中国人感染者の第一波の治療には、この薬が大変よく効いた」と話している。 一方で、3月に有力医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに発表された論文は、新型コロナウイルスの重症患者に対して、「ロピナビル・リトナビル投与に標準治療を上回る利益は認められなかった」と結論付けている。

<回復者血漿> Convalescent plasma 感染症治療 米ニューヨーク州で7500人を対象にして4月末に行われた新型コロナウイルスの抗体検査では、14 . 9%で抗体が確認された。ニューヨーク市内では24.7%と、想定を上回る4人に1人が既に新型コロナウイルスに感染していたことになる。 そこで研究者たちに有望視されているのが、回復者血漿(けっしょう)を用いた治療法だ。感染症から回復した人の血液の一部を、患者に投与する手法で、回復した人が獲得したウイルスに対する抗体を、患者の体内で作用させる仕組みだ。 この治療法はこれまで、おたふく風邪や麻疹(はしか)、インフルエンザを含むさまざまな感染症の流行の際に用いられてきたが、新型コロナウイルスでの効果はまだ証明されていない。 FDAは最新のガイドラインで、回復者血漿を臨床試験で限定的に用いることを認めているが、「重症、あるいはただちに生死に関わる状況の新型コロナウイルス感染者」のみが対象になるとしている。 ニューヨーク市などで既に臨床試験が行われ、回復者からの血液の提供も進んでいるが、抗体が十分に出来上がっているか、他の感染症に感染していないかなどを綿密に調査して使用する必要があり、手順は複雑だ。 <2020年5月26日号「コロナ特効薬を探せ」特集より>

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