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アビガンも期待薄? コロナに本当に効く薬はあるのか

配信

ニューズウィーク日本版

<FDAが3月末、数百万回分の配布を承認した薬>

<ヒドロキシクロロキン> Hydroxychloroquine 抗マラリア薬 「消毒液を注射する」「体内に日光を照射する」など驚愕の治療法を提言して混乱を引き起こしたドナルド・トランプ米大統領が「画期的な薬だ」と繰り返し発言しているのがヒドロキシクロロキン。 抗炎症作用や免疫調整作用を持つため、関連薬のクロロキンと共にマラリアや全身性エリテマトーデス(SLE)などの治療に使用されてきた。 新型コロナウイルスに関しても、体内の免疫反応に効果を及ぼす可能性があるとしてアメリカの多くの医療機関で最前線の治療法として用いられてきた。FDAは3月末、全米の病院に数百万回分を配布することを承認した。 だが4月下旬、FDAはヒドロキシクロロキンをコロナ治療に用いると深刻な副作用をもたらす可能性があると警告。複数の先行研究を調査したマサチューセッツ総合病院ワクチン免疫治療センター長のマーク・ポズナンスキーも同月、効果を示す明確なデータはないと結論付けた。 さらにポズナンスキーは「有害となる可能性もある」と指摘し、抗生物質アジスロマイシンなど他の薬と併用した場合、治療1カ月以内に胸痛や心不全のリスクが15~20%上がり、心疾患で死亡するリスクも倍増するとしている。

<レロンリマブ> Leronlimab 乳癌治療薬 悪性度が高いとされるトリプルネガティブ乳癌の治療薬や、抗HIV薬としてFDAから迅速審査の対象に指定されているレロンリマブが、新型コロナウイルス感染症の治療に転用できるかもしれない。 この薬を開発したバイオテクノロジー企業サイトダインはFDAの認可を受けて4月、新型コロナウイルス感染者を対象とした臨床試験を開始した。 研究者らは、重度の新型コロナウイルス感染者に見られる、免疫システムが過剰反応を起こす危険な現象「サイトカインストーム」に対し、レロンリマブが効果を発揮する可能性があると考えている。 既にニューヨークで15人の重症患者に投与され、良好な結果が出ているとサイトダインは発表。「患者は1人1人異なる合併症を併発していたが、レロンリマブの投与では似たような臨床反応を示しており、これこそがこの薬の作用メカニズムだと考えている」という。 HIVやトリプルネガティブ乳癌に対して行われたこれまでの臨床試験では、レロンリマブが下痢や頭痛、リンパ節の腫れ、高血圧、注入部位への局所反応などの副作用を及ぼす可能性が指摘されている。

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