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[記者が見た あの勝負]キングス奇跡の大躍進 最大17点差を最終Qで逆転

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沖縄タイムス

2009年5月16日 bjリーグ西地区決勝大阪戦  バスケットボール男子の琉球ゴールデンキングスはbjリーグ参戦2季目の2008~09シーズン、東西の雄が頂点を競う有明コロシアムの舞台に立っていた。運動部に着任してまだ2カ月半の私にとって初めての東京出張。沖縄にはない大きな会場の雰囲気に圧倒されるとともに、本紙記者で誰も経験したことのない手探りの取材にプレッシャーを感じていた。 この記事の他の写真・図を見る  ■負け記事準備  2009年5月16日、プレーオフ西地区決勝の相手はリーグ3連覇中の大阪エヴェッサ。「大阪に勝つためにこのチームをつくってきた」と桶谷大ヘッドコーチが言うように、bjを代表する強豪だ。前季の西地区最下位から1位へと躍進したキングスは、同地区2位の大阪に対しレギュラーシーズンで6勝2敗と勝ち越したものの、最後の直接対決で終了間際に逆転負けを喫していた。  観衆5500人超が見守る一発勝負の大一番。得点源の金城茂之が大阪の仲村直人らの激しいマークに遭い、第2クオーター(Q)まで無得点に抑えられるなど、第3Qを終えて63-76と苦しい展開となった。最大17点差に開いた時、正直私は負けの記事を書く準備をしていた。  ■史上最多50点  だが、キングスがここから奇跡を起こす。残り3分半で大阪の得点源ナイル・マーリーを5ファウルの退場に追いやるとともに、味方からボールを集めてもらった身長205センチの大黒柱ジェフ・ニュートンが最終第4Qだけで20得点、1試合でリーグ史上最多となる50得点をたたき出した。  レギュラーシーズン中は肩を痛めていたため封印していた2本目の3点シュートを残り28秒で決め、ついに逆転。93-87で宿敵を破り、クールなニュートンが珍しく表情を緩めた。沖縄からも大勢駆け付けたファンは、沸きに沸いた。  ■他紙とも握手  私も興奮を抑えられないまま記者席から報道控室へと向かい、その途中で琉球新報の記者と自然な流れで手を握り合った。普段なら、ライバル紙の担当記者とはそこまでしない。  勢いに乗るキングスは、翌日のファイナルで東京アパッチにスタメン全員得点となる一丸のバスケで89-82と競り勝ち、初優勝を飾った。古巣の大阪時代を含め4季連続の優勝を勝ち取ったニュートンは、レギュラーシーズンとプレーオフ両方でMVPとなった。  2日間、本社には締め切りの時間を遅らせてもらい、1面からスポーツ面見開き、社会面へと大きく紙面展開した。最終日の試合は夕方に終わり、セレモニーもあって取材は夜まで及んだ。午後11時半を回っても手つかずの原稿が10本以上あり、ビジネスホテルで激しい肩凝りと闘いながら原稿を書いたことを覚えている。その後も数年間キングスを担当したが、この時の経験は格別だった。(當山学)=肩書やチーム名などは当時。敬称略 ◇ ◇  本紙記者が取材または立ち会った、記憶に残る勝負や場面をエピソードを交えて紙面や写真と共に振り返る。

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