「価格の優等生」は過去の話? 飼料高騰や鳥インフルに翻弄される“卵の価格” 洋菓子店もピンチ! クリスマスケーキにおせち料理―年末に欠かせない卵が高騰 北海道
クリスマスケーキやおせちなど、年末に欠かせない卵の価格が上昇している。 今のところ、鳥インフルエンザの影響は限定的だが、洋菓子店などでは苦悩が続いている。 【画像】“卵の価格” 洋菓子店もピンチ
卵の価格 上昇続く
札幌市内のスーパーでは、9月後半から卵の価格が上昇している。 9月末には1パック168円だった卵が、現在は199円で販売されている。 「お弁当とかで毎日使う。卵がなかったら正直しんどい」(客) 「たくさん買いだめしても賞味期限があるから」(客) 「(卵の価格が)下がるという要素がなかなか見つからない状況だ」(キテネ食品館 中塚誠 代表)
卵の価格推移(札幌市)
札幌市の卵1キロあたりの価格は、2023年春に鳥インフルエンザの影響で360円台まで高騰した。 2024年1月には180円台まで下がったが、夏以降再び上昇している。
卵高騰の理由とは?
卵の価格がこれほど変動するのはなぜなのか? 養鶏産業に詳しい専門家は、卵の生産量と消費量のバランスが崩れていることが原因のひとつだと指摘する。 「(エッグショック以降)急に卵の値段が下がりましたが、その値段ではほとんどの生産者が赤字。作れば作るほど赤字が増え、経営ができなくなる状況で鶏の数も減らしました」(元東京農業大学教授 信岡誠治さん) 専門家によれば、飼料の高騰などで卵1キロを生産するのに約240円のコストがかかるという。 2024年1月に消費が減少し、価格が180円台にまで下がったため、生産者は赤字回避のために生産量を減らした。 しかし夏以降、月見商戦などで消費が増えたことにより、再び価格が上昇している。
洋菓子店も模索
この洋菓子店では、卵の仕入れ値が10月末から60円ほど上昇した。 「他の原材料も上がっているので卵もかという感じ。ケーキの値段を上げてしまうと高価なものになり、気軽に食べられない価格になってしまう感覚がある」(ケイク・デ・ボア 森伸司 店長) そのような中、この店では2週間前から余った卵白を活用した新商品を販売している。
【関連記事】
- 年末年始を前に"ホタテが価格高騰" 中国の水産物禁輸措置で大ピンチだったホタテ…販売先の多角化でアメリカ29% ベトナムはなんと1000%超の輸出増に
- 気になる「灯油の価格」どうなる?政府の補助金あるものの“高止まり”続く…トランプ大統領就任で『値下げ』『値上げ』両方の可能性指摘の声も 北海道
- 今季全国初 「鳥インフルエンザ」北海道・厚真町の養鶏場で確認 約1万9000羽を殺処分 「エッグショック」再来の心配に鈴木知事は「根拠のないうわさなどで混乱が生じないよう情報提供に努める」
- 〈自民党 石破茂新総裁誕生〉どうなる?北海道の『農林水産業』 生産者の“期待”と“不安” 「コメの安定供給を」「経費が倍…非常に苦しい」「和牛肉の消費拡大を頑張って」
- ニセコの雪解け水でつくられた”らんこし米”札幌市で無料配布 北海道有数の米どころ蘭越町産「ゆめぴりか」新米300グラム1000個が30分で… 粘り気強く程よい甘さ特徴 北海道