災害に強い潮位測定技術開発 NEC、高性能センサーで遠方から監視
NECは、レーザー光で周囲の3D情報を取得する高性能センサー「3D-LiDAR(ライダー)」を使い、遠方から高精度に潮位を測定できる技術を開発した。 【関連写真】東京港での実証実験の様子 今回開発した新たな測定技術は、3D-LiDARによる赤外線レーザー光を海上に浮かせた浮標(ブイ)に照射し反射光を捉えて距離を計測する仕組み。最先端の長距離・大容量光送受信技術(コヒーレント受信技術)を活用した長距離3D-LiDARにより超高感度な光受信を実現し、遠方から物体の3次元点群データを取得できるようになった。 技術検証では、陸上500メートル遠方の物体の高さ計測を実現していたが、今回の実証で初めて海上60メートル遠方の潮位を2センチメートル程度の誤差で測定することに成功したという。 同社は「海岸線で数メートル規模の地盤隆起・沈下が起きても影響を受けにくい場所に検潮所を設置できるようになり、災害に強く継続的な潮位の把握が可能になる」と説明する。 今後は測定可能距離を延長するとともに、周辺の地図情報を照合して測定精度を向上するなどの技術開発を進め、25年度内に実用化したい考え。
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