「たくさんの人が死ぬとは」…36人死亡京アニ放火事件・被告「戦慄の犯行動機」と家族を襲った悲劇
「私がしたことに間違いありません。こんなにたくさんの人が死ぬとは思っていませんでした」 「小説をパクられた」…京アニ放火の45歳被告「全身やけどでケロイド」戦慄写真 手や顔に火傷の痕を残し車イスに乗って法廷に現れた被告は、小さな声でこう訴えた――。 ’19年7月にアニメ制作会社・京都アニメーション(以下、京アニ)が放火され36人が死亡し32人が重軽傷を負った痛ましい事件。殺人罪などに問われている無職・青葉真司被告(45)の初公判が、9月5日に京都地裁で行われた。35席の一般傍聴席に対し、集まった人々は500人以上。事件から4年以上たった現在でも、注目度の高さがうかがえる。 「上下青のジャージ姿で出廷した青葉被告は、起訴内容を認めました。検察側は『京アニ大賞に小説を応募したが落選し(自分の作品を)盗用されたと一方的に恨みを抱いていた。スジ違いの復讐だ』と主張。責任能力もあったとしています。一方の弁護側は、青葉被告が犯行当時に善悪の判断がつかない『心神喪失』の状態だったとし無罪を主張しました」(全国紙司法担当記者) 『FRIDAY』は’19年8月9日号で、70人近くが被害を受けた惨劇の背景について詳しく報じている。再録して、青葉被告の言い分と事件の詳細について振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。 ◆「パクりやがって……」 「呼び鈴が鳴り玄関に出ると、仰向けに男性が倒れていました。シャツとジーンズ姿で大柄な体型。髪は焦げていて、火傷で両腕の皮膚がめくれ上がっていた。足の裏は血だらけで、右すねには燃えカスが残っていました。『大丈夫ですか?』と聞いても返事がなく、うちのホースで水を足にかけました。 駆けつけて来た警官が男性に『どうしてこんなことをした?』『どうやったんや?』と聞き始め、放火の犯人だと気づいたんです。犯人は『パクりやがって……』『火をつけた』などと口にしていましたね。顔は土色で緑がかっており、今まで見たことない顔色でした」(京阪電鉄六地蔵駅近くの住民) ’19年7月18日の午前10時30分過ぎ、京アニ・第1スタジオに青葉被告が火を放った。ガソリンもまいたため炎と煙の勢いが強く死者は36人に及んだ。青葉被告は逃走し、現場から約100m離れた京都市伏見区の六地蔵駅付近で警察に取り押さえられた。 埼玉県さいたま市に住んでいた青葉被告は、事件数日前から京都市に滞在。近くの公園で寝泊まりしていたという。 「事件前日の夜8時頃、公園のベンチで両膝を立てて寝ている太った男性を見かけたんです。足元には台車があり、荷物が載っていました」(近隣住民) 寝ていた男性が青葉被告だったのだろう。近くのガソリンスタンドで買ったガソリンを台車に載せて運び、凶行に及んだと考えられる。 埼玉県で少年時代を過ごした青葉被告について、中学校の同級生はこう語っていた。 「優しく穏やかな人柄の印象。柔道に熱心で、隣町の柔道教室までバスで通っていました。両親は離婚しており、父と兄と妹の4人暮らし。洗濯機が家の外にあるような木造の古いアパートに住んでいて、裕福という感じではなかったです」