止まらない快進撃。佐藤琢磨がファストフライデイも引き続きトップ/第106回インディ500デイ4
インディアナポリス・モータースピードウェイで開催されている伝統の一戦、第106回インディアナポリス500マイルレース。ファーストフライデイと呼ばれる20日は、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)が引き続きトップスピードとなる232.789mphを記録した。 【写真】琢磨のチームメイト、デイビッド・マルーカス NTTインディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第106回インディ500。走行4日目は、予選前最後となる6時間のプラクティスデイでファストフライデイと呼ばれる。 この日からターボチャージャーのブースト圧が約90馬力増加され、一気にスピードアップ。翌日からの予選に向けて各車が走行を重ねた。 インディ500の予選は、アテンプトと呼ばれ1回4周を走行しその平均スピードでグリッドを争う。 12時よりグリーンフラッグが振られプラクティスがスタートすると、マシンを確かめながら、4周の予選シミュレーションを行っていった。 セッション序盤でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が231.883mph(38秒8127)を記録。パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)も0.0142秒差の231.798mphと続く。 しかし、26度を超える高い気温に加え、突風が吹くコンディションのため、各車積極的には走行を行わず、セッションは進んでいく。 17日からの走行でクラッシュを喫したドライバーはいなかったが、開始から約1時間半、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)がターン2でクラッシュし、最初の壁の犠牲者となった。ジョンソンはマシンを修復させ、セッション終盤に再び走行を行っている。 佐藤琢磨は、セッション中盤くらいから本格的に走行を始めると徐々にスピードをアップさせ、ロッシに次ぐスピードを記録。さらに残り1時間で行った予選シミュレーションで、ここまでで最速となる232.789mph(38秒6616)を記録。連日に続きトップでファストフライデイを終えた。 2番手はロッシ、3番手にシボレー勢トップとなるオワード。ここまで好調のチップ・ガナッシ勢は、マーカス・エリクソンが4番手、スコット・ディクソンが5番手と上位に入り、8番手に入ったトニー・カナーンは4周連続の予選シミュレーション走行では平均230.517mphとトップだった。 琢磨の4周連続の予選シミュレーションは、3周目にスピードを落とし平均229.680mphで5番手。 「3周目にダウンフォースを失い、4周目もスピードを落としてしまいました。3周目と4周目がカギですね。ダウンフォースが少なすぎました」と琢磨。 チームメイトのデイビッド・マルーカスも7番手と好調で、4周の予選シミュレーションでは、カナーンに次ぐ2番手に。1983年のテオ・ファビ以来となるルーキーのポールポジション獲得も期待される。 「僕たちはプログラムを分けたので、デイビッドはより多くのダウンフォースを持っていました。両方のデータを持っていることは良いことですし、明日はそれを組み合わせるだけですね」と琢磨はコメントしている。 21日から2日間に渡って行われる予選は、予選1日目に13番手以下のグリッドが決定。上位12台は、予選2日目に「トップ12予選」へ進出。ここで7番手から12番手のグリッドが決定し、トップ12予選の上位6台でポールポジションを決する「ファスト6」を実施するフォーマットだ。 ここまで連日トップの快進撃をみせる佐藤琢磨のインディ500ベストグリッドは、優勝した2020年の3番手。この勢いで日本人初のインディ500ポールポジションを奪取することができるだろうか? 予選1日目は、ふたつのグループに分かれて9時30分より30分ずつのプラクティス走行を行い、12時よりくじ引き順に予選アテンプト合戦が実施される予定だ。 ■第106回インディアナポリス500マイルレース/デイ4総合結果 Pos./No./Driver/Team/Engine/MPH/Laps 1/51/佐藤琢磨/デイル・コイン・ウィズ・RWR/H/232.789/24 2/27/A.ロッシ/アンドレッティ・オートスポート/H/231.883/6 3/5/P.オワード/アロウ・マクラーレンSP/C/231.798/12 4/8/M.エリクソン/チップ・ガナッシ/H/231.782/7 5/9/S.ディクソン/チップ・ガナッシ/H/231.530/4 6/7/F.ローゼンクヴィスト/アロウ・マクラーレンSP/C/231.493/13 7/18/D.マルーカス/デイル・コイン・ウィズ・HMD/H/231.414/39 8/1/T.カナーン/チップ・ガナッシ/H/231.392/18 9/3/S.マクラフラン/チーム・ペンスキー/C/231.206/14 10/2/J.ニューガーデン/チーム・ペンスキー/C/231.180/7 11/12/W.パワー/チーム・ペンスキー/C/231.146/11 12/10/A.パロウ/チップ・ガナッシ/H/231.085/4 13/24/S.カラム/ドレイヤー&レインボールド・レーシング/C/230.826/14 14/20/C.デイリー/エド・カーペンター・レーシング/C/230.589/37 15/28/R.グロージャン/アンドレッティ・オートスポート/H/230.270/10 16/77/C.アイロット/フンコス・ホーリンガー・レーシング/C/230.147/13 17/48/J.ジョンソン/チップ・ガナッシ/H/229.929/13 18/98/M.アンドレッティ/アンドレッティ・ハータ/H/229.850/7 19/06/H.カストロネベス/メイヤー・シャンク・レーシング/H/229.677/23 20/21/R.ヴィーケイ/エド・カーペンター・レーシング/C/229.635/16 21/60/S.パジェノー/メイヤー・シャンク・レーシング/H/229.184/10 22/33/E.カーペンター/エド・カーペンター・レーシング/C/228.334/14 23/4/D.ケレット/A.J.フォイト・レーシング/C/227.157/22 24/15/G.レイホール/レイホール・レターマン・ラニガン/H/226.819/12 25/29/D.デフランチェスコ/アンドレッティ・スタインブレナー/H/226.697/18 26/23/S.フェルッチ/ドレイヤー&レインボールド・レーシング/C/226.627/32 27/25/S.ウィルソン/ドラゴン・スピード/C/226.233/11 28/11/JR.ヒルデブランド/A.J.フォイト・レーシング/C/226.198/17 29/14/K.カークウッド/A.J.フォイト・レーシング/C/226.064/17 30/30/C.ルンガー/レイホール・レターマン・ラニガン/H/225.883/7 31/45/J.ハーベイ/レイホール・レターマン・ラニガン/H/224.319/8 32/6/J.P.モントーヤ/アロウ・マクラーレンSP/C/223.764/6 33/26/C.ハータ/アンドレッティ・オートスポート/H/220.640/7 [オートスポーツweb ]