下馬表を覆してFP1で速さを見せたフェラーリ。しかし予選では後退……バスール代表「路面のグリップが上がり、アンダーステアが増した」
フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、コースのグリップレベルが変わったことで、カタールGPのFP1からスプリント予選にかけて、パフォーマンスが落ちてしまったと語った。 【リザルト】F1第23戦カタールGP F1スプリントスターティンググリッド(暫定) 下馬表では、カタールでは苦しむことになるだろうと見られていたフェラーリ。しかし蓋を開けてみれば、FP1ではシャルル・ルクレールがトップタイムを記録し、カルロス・サインツJr.も4番手と、2番手・3番手につけた本命と見られていたマクラーレン勢とがっぷり四つの結果となった。 しかしスプリント予選でフェラーリはFP1と比べて若干後退。サインツJr.が4番手、ルクレールが5番手と、マクラーレン勢だけでなくメルセデスのジョージ・ラッセルにも先行されることになった。 これについてフェラーリのチーム代表であるバスールは、路面のグリップが変わったことで、マシンのアンダーステア傾向が高まってしまったことを理由に挙げた。 「アンダーステアで減速してしまったこの状況を、大きく変えることはできないと思う」 そうバスール代表は語った。 「フリー走行1回目では、はるかに良いマシンだった。しかしスプリント予選ではアンダーステアが酷く、そのせいで非常に苦しみ、多くのモノを失った」 「でも前向きに考えれば、ポイントのほとんどは日曜日に与えられる。だから明日の予選に向けて対応し、日曜日に良いマシンを用意する必要がある。とはいえ、FP1の方がコンディションがよかったのは事実だ」 「路面のグリップが強くなると、アンダーステアの問題も増す。FP1とスプリント予選のグリップに大きな違いがあったので、そこで負けたのだろうと思う」 バスール代表が言う通り、F1スプリントから予選までの間にセッティングを調整し直すことができるかどうかが鍵になると言えよう。 「F1のパルクフェルメはF1スプリントのレース終了まで続き、その後はパルクフェルメが一旦解除され、予選に向けてセッティングに変更を加えることができる。その後はご存じのとおり、セットアップの変更が再びできなくなる」とバスール代表は言う。 「レースでのペースがどうなるかは分からない。FP1では、レースペースのシミュレーションができた人は、誰もいなかったと思う。グレイニング(ささくれ摩耗)の発生さえ予測できない」 「スプリントがレース前に行なわれるため、グレイニングは減ることになるだろう。そのため、弱点となる部分は少なくなるはずだ」 なおピレリ曰く、グレイニングは予想よりも少なかったという。 「グレイニングのレベルは予想よりも低く、パフォーマンスの低下は非常に限定的だ」 ピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベッラはそう語った。 「初日には、大量の燃料を積んだ状態で、意味のあるロングランを行なえたドライバーがほとんどいなかったことを考えると、F1スプリントでタイヤの挙動を確認することが重要になる」
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