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感覚派なのに言語化できるスゴさ その力で女子ツアーをさらに良いものに【現場記者の“こぼれ話”】

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ゴルフ情報ALBA.Net

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内だけでなく世界各国で中止が余儀なくされているゴルフトーナメント。なかなか試合の臨場感を伝えることができない状況が続いています。そんな状況のなか、少しでもツアーに思いを馳せてもらおうとツアー取材担当が見た選手の意外な素顔や強さの秘訣、思い出の取材などを紹介。今回は青木瀬令奈の「ここがスゴい!」をお届けします。 青木瀬令奈といえばやっぱりこのポーズ【写真】 プロゴルファーに限らず、トップアスリートには多くの感覚派と呼ばれる人がいます。考えるよりも体が覚えていたり、勝手に動くタイプです。青木プロもその一人だと思います。本人も自認していますし、青木プロと仲の良い成田美寿々プロも「“The 感性”という感じ。手先の感覚がめちゃめちゃ鋭い」と評しています。 “感覚派”の選手は見ていて魅力的に映る反面、ゴルフ媒体の取材対象者としては難しい部分もあります。ゴルフはプレーする人も多いスポーツで、アマチュアゴルファーのなかにはプロを参考にしたいと思って試合の中継やニュースを見る方も数多くいます。そういった方に向けて我々も様々なコンテンツを作っているわけですが、感覚派の方に例えば『なぜショットが良くなったんですか?』と聞いても、「リズムをグワーンからグワァーンに変えたんです」と言われるようなケースも少なくありません。そんな場合、アマチュアの方も「?」となってしまいます。 正直、そのまま文字にしたのでは何のことだか分かりづらい。ただ、本人はその感覚でやっている。だから、プロの感覚を読者の皆さんに伝わるように落とし込むための、共通言語を探すのがとても大変だったりします。特に女子プロの方は、こういった感覚派の選手が多いような気がします。 感覚を言葉にする。一見、簡単そうですが意外と難しい。一つ好きな食べ物を思い浮かべてみてください。それについて『なぜ好きなのか』を考えてみると、案外「美味しいから」以外の言葉が出てこないのではないでしょうか。でも、この「美味しい」という言葉は人によって違う感覚ですよね。この場合「なぜ美味しいのか」を具体的に示さないと、相手にはなかなか良さが伝わらないものです。食レポごっこをやってみると、その難しさがより分かると思います。私も苦手で、すぐに「食べてみればわかるよ」と言ってしまいがちです。 でも、青木プロは感覚派でありながら、その自分の感覚を言語化するのが非常にうまいプロです。例えば新しいパターを試した時。プロに感触を聞くと「打感がいいですね」の一言で終わるケースも少なくないですが(その“いい”にはとてつもなく繊細な感覚があるわけですが)、どう打感がいいのかまで具体的に説明してくれます。それも「パーンという感じ」などといった擬音ではなく、万人に伝わる言葉で。感覚を言語化できてしまう存在です。 初めて取材をさせてもらったのは、2015年の「ヤマハレディース」でした。そのときから理路整然と答える姿がとても印象的だったのを今でも思い出します。何かあるたび度に青木プロに話を聞きに行くようになったのは、それからです。また、自分の感覚を話してもらうだけでなく、いろいろな物ごとにちゃんと自分の意見を持っている選手。そのため、社内から「この件に関してプロのコメントをとってこい!」と言われて、真っ先に聞きに行ったことは数え切れないほどあります。本当にお世話になりっぱなしです。 そんな青木プロが、今年からプレーヤーズ委員(JLPGAの選手会ともいうべき組織)の委員長に就任されました。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が相次ぐなど、就任早々に大変な状況となってしまっています。でも、きっと青木プロなら、その言語化できる能力を最大限に生かして選手たちの意見や感覚を吸い上げ、女子ツアーをさらに良いものにしてくれると信じています。(文・秋田義和) (撮影:GettyImages)<ゴルフ情報ALBA.Net>

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