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イタリアで始まった「コロナウイルスでは死なない」反政府デモ

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SmartFLASH

 アメリカには地球温暖化を否定する人がたくさんいるが、イタリアでは、コロナウイルスを否定する集団が現れた。 「オレンジ・ベスト」と呼ばれるこの集団は、退役軍人で、作曲家としても知られるアントニオ・パッパラルド氏がリーダーを務める。「コロナウイルスで死んだ者はおらず、パンデミックなどなかった。もともと病気だった80代以上の人が死んだだけだ」と主張している。 「自分の肺は自分で面倒をみる。呼吸というのは神聖なものだ」とマスクも否定、ロックダウン命令も拒否し、国の指導者たちの退陣を求めている。  2018年頃から、フランスでイエロー・ベストという反政府運動が起きた。このとき参加者が着ていたのは黄色いベストで、車に常備してある一般的なものだからとも労働者階級の象徴だからとも言われた。  イタリアでこの集団が身につけているのは、同じようなベストだが、色は蛍光オレンジ。パッパラルド氏は蛍光オレンジのジャケットやネクタイ、ときにはポケットチーフや腕章を蛍光オレンジでコーディネートする。  デモの参加者たちはオレンジ色の旗を振り、蛍光オレンジのベストを着て、マスクをせず、ローマやミラノで数百人規模のデモをおこなった。  早い時期に新型コロナのパンデミックを体験したイタリアは、患者数が23万人以上と世界で6番目の多さだ。6月3日にEUからの観光客を受け入れ再開したが、現在も4万人近い患者を抱えており、コロナを克服したとは言いがたい。  パンデミック後の経済回復は先行きが見えず、オレンジ・ベストのデモと同じ日に同じ場所で、野党第一党の党首が大規模な反政府デモをおこなっている(こちらの参加者の多くはマスクを着用していた)。  イタリアで、国民の不満が強くなっているのは間違いないだろう。「オレンジ・ベスト」はユーロを廃止し、イタリア・リラの復活も主張しているが、ナショナリズムは疲弊した国民の耳に心地よく響くのかもしれない。  イタリアでは5月31日にも、著名な医師がテレビで「新型コロナは威力を失った」と発言し、問題になったばかり。それに続く「オレンジ・ベスト」の活動で、地元の政治家たちは怒り心頭だ。ミラノ市長は「無責任すぎる」、ベルガモ市長は「デモ参加者の身元を報告してもらいたい」とコメントしている。(取材・文/白戸京子)

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