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「若手化」を推進するマンチェスター・U…「原点回帰」が復権への有効打に【雑誌SKアーカイブ】

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SOCCER KING

[サッカーキング No.007(2019年11月号)掲載] 文=リチャード・ジョリー 翻訳=田島 大 写真=ゲッティ イメージズ

誰も想像していなかった急激な“若手化”

 8月の最終日、左サイドから切れ込んだ21歳のウインガーが得意の右足を勢いよく振り抜くと、サウサンプトンのゴールに強烈なシュートが突き刺さっていた。新天地マンチェスター・ユナイテッドでのリーグ戦3点目だ。ウェールズの新星ダニエル・ジェイムズは、開幕から1カ月も経たないうちに、アレクシス・サンチェスの“不遇”の1年半と同じだけゴールを決めてみせた。  その2週間後、ヨーロッパリーグのアスタナ戦で、今度はFWメイソン・グリーンウッドが角度のないところからシュートを蹴り込んだ。18歳の誕生日を目前に控えたイングランドの青年にとって、記念すべき初ゴールだった。ユナイテッドで2000年以降に生まれた選手がゴールを決めるのは初めてのこと。欧州カップ戦に限ればクラブ最年少ゴールだ。  二人とも英国期待の若手だが、彼らだけが特別に若いわけではない。今シーズンのプレミアリーグで最年少の“開幕スタメン”を並べたのはユナイテッドだったし、その後もチームの平均年齢は25歳を下回っている。この状況を誰が想像できただろうか──。  ジョゼ・モウリーニョ前監督がイヴァン・ペリシッチ、ジェローム・ボアテング、トビー・アルデルヴァイレルトといった29歳の獲得に奔走したのは、ほんの1年前のこと。結局は断念したが、当時のスタメンには、やはり30歳前後のアンデル・エレーラ、クリス・スモーリング、サンチェス、ネマニャ・マティッチ、アントニオ・バレンシア、アシュリー・ヤング、フアン・マタらが名を連ねていた。  あれから1年で、ユナイテッドはスタジアム名に逆行して“ヤング”なチームへと生まれ変わった。前線には21歳のマーカス・ラッシュフォードがいて、中盤に君臨するのは22歳のスコットランド代表MFスコット・マクトミネイだ。夏の目玉補強の一人である右サイドバックのアーロン・ワン・ビッサカも21歳。そして冒頭のアスタナ戦では、アンヘル・ゴメス、タヒス・チョン(ともに19歳)、センターバックのアクセル・トゥアンゼベ(21歳)がスタメン起用され、MFジェイムズ・ガーナー(18歳)もベンチ入りした。3年前にフェイエノールトから下部組織に加わったチョンを除けば、いずれも“国産”の若手プレーヤーだ。  マティッチ、マタ、ヤングらは先発から外れ、サンチェス、スモーリング、バレンシア、マルアン・フェライニに至ってはクラブを離れた。気づけば26歳のジェシー・リンガードがチーム最年長ということもしばしば。ユナイテッドは、それほど急激に“若手化”へと舵を切った。

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