「子育て、もう無理…」SOSを引き受けるショートステイ里親 もしもの時に子供を数日間預かるサービス 福岡市
■もしもの時に子供を数日間預かる 「そんな気持ちになること、誰でもあるよ」と思う方もいるかもしれませんが、今は親と同居しない家庭が多いですし、転勤や引っ越しで周囲に知り合いもいない。虐待や無理心中事件の背景には、孤立した子育てがあるのは間違いないと言われています。 福岡市では、家庭での養育が難しい18歳以下の子供を、児童養護施設や乳児院で一時保護する「子どもショートステイ」サービスを提供しています。原則7日以内で、収入などで一定の条件を満たせば無料です。区役所の保健福祉センターで相談を受けていますが、施設には定員があるので、事情のある子供を預かっている「里親家庭」でもショートステイを引き受けています。 これが「ショートステイ里親」ですが、里親を紹介された陽子さんは「里親って何?私はちょっとだけなんですけど」と戸惑ったそうです。 陽子さん:祖父母に預けたこともないし、365日私が見ていたので、不安でいっぱいで。1泊2日ですけど、かといって1人で2人を見る余裕もないし、それで怒っちゃうのも罪悪感だしっていう感じで、思い切ってエイッと預けてみたんですけど、預ける時に里親さんとお会いすることができて。娘を引き取ってくれた方は、子供3人と一緒に迎えに来られた子育て世代のお母さまで、お会いして「かわいい、かわいい」って私の赤ちゃんのこと言ってくれて。お兄ちゃんの方は、同い年ぐらいの別の里子をお預かりになっていて「一緒に遊ぶかな、と思って受けました」っておっしゃってくださった。同世代の子供だったので、すぐ何か一緒に遊びだしたので、その場面を見られたので、すごく安心して預けられたっていうのはありました。帰ってきたら「2人とも別に大丈夫でした」みたいな感じで。 陽子さんはホッとしたでしょうね。お子さんと一緒の里親さんで、安心できましたよね。 ■「SOS子どもの村」に紹介された里親 陽子さんの窓口となったのは、「SOS子どもの村 JAPAN」という国際NGOの日本法人です。福岡市西区に「子どもの村福岡」を作り、様々な事情があって実の親と暮らすことができない子供たちを預かっています。村には5つの家があり、3棟で里親さんが子供たちと暮らしています。残る2棟でショートステイ事業を引き受けていて、専門の職員が受け入れを担当していますが、市内で里親となっている家庭と連携して、紹介するコーディネート事業もしていて、陽子さんはそれを利用しました。 「陽子さんの決断は、家族からどう受け止められたのですか?」と尋ねたら、パートナーは「預けるの?どこに?」というのが最初の反応でした。でも、里親さんが迎えに来た時にパートナーも立ち会っていて、里親さんにお子さんが一緒にいたことや、保育関係の仕事をしていると聞いて、安心していました。親御さんは「今はそんなサービスがあるんだ。私の時もあったらなあ」と話していたそうです。