ソフトバンクの米ドラフト1巡目投手の約8億円獲得に米球界で衝撃と賛否!「常識を覆す」
ソフトバンクが昨年のメジャーのドラフトの1巡目(全体8位)でアトランタ・ブレーブスから指名を受けたカーター・スチュワート投手(19)と契約合意に達したニュースが大きな話題となって全米を駆け巡った。複数の米国メディアが先に報じたもので、ソフトバンクは、まだこの契約について公式に認めていないが、スチュワートはブレーブスから指名を受けながらも、メディカルチェックでひっかかったことで契約交渉が難航。結局、イースタンフロリダ州立カレッジに入学して次のドラフトを待っていた。だが、今回、ソフトバンクが好条件(7億7000万円)を提示してドラフト前に昨年の段階で150キロ後半のストレートを持ち、アマチュア最高投手との評価を受けていたスチュワートを“横取り”することになった。その手法についての賛否が議論になっている。 ニューヨークポスト紙は「メジャーのトップ有望株、カーター・スチュワートがブレーブスとの争いの後に日本へ飛び出す」との見出しを取り、「ドラフトのトップ10位で指名された後に日本に向かうことは、勝利として解釈されない。だが、スチュワートは、そういう常識を覆そうとしている」との見解を加えて報じた。 同記事によると、ブレーブスはドラフト指名後のメディカルチェックでスチュワートの手首に問題を見つけ、ドラフトの目安となる契約金を下回るオファーを提示した。スチュワートは、この条件を拒否、今年のドラフトで再度対象になるためにイースタンフロリダ州立カレッジに入学したという。 「ブレーブスは、スチュワートと合意できなかった場合の補償として今年のドラフトの9位の権利を確保している。だが、もし今ブレーブスがスチュワートと契約をしたければ、ソフトバンクがスチュワートがメジャーへ行くことを容認することを条件に(ソフトバンクへ)ポスティング費用を払う必要がある」と続け、「ブレーブスはスチュワートを逃しても余裕はあるが、今朝の(スチュワート日本行きの)決断を聞いて、穏やかな気持ちとはいかないだろう」と締めくくっている。 NBCスポーツも、このニュースを報道し、「昨年の時点で野球界で最高のアマチュア投手と考えられていたスチュワートにとってはすごく面白い転機となる。評価を低く見積もられ、ブレーブスに健康面で疑問を付けられたことは、アメリカで急ぎ足でメジャーリーグへと向かうチャンスを探していたスチュワートにとって“目覚まし”のようなきっかけになったかもしれない」と紹介。 「この1年で、彼の将来性に関して輝きが失われたのであれば、(ソフトバンクが用意した)700万ドル(約7億7000万円)に加えて、日本からメジャーに向かうという手法は(その額よりも)数百万ドル(数億円)以下の契約金となるアメリカでメジャーを目指すよりもはるかに良い条件だと彼が信じることは理解できる」という見解を示した。 記事はまた「ここから、次の数年間の彼の動向を追う価値があるのは確かだ。現在、メジャーリーグは、アマチュアへのボーナスを制限し、各球団が出場時間を巧みに操作するような傾向がみられる。アメリカの高校生や大学生にとって海外に向かうことがより魅力的になるのか、そして彼自身の今後について見ていく必要がある」とも続けており、ドラフト指名選手に対しての初期投資をメジャー側が抑えようとしているシステムや傾向になんらかの影響を与えるのではないか、という見方をしている。