金谷拓実、逆転での自身初賞金王へ視界広がる「最大限のプレーできた」トップ平田憲聖からリード
<国内男子ツアー:日本シリーズJTカップ>◇第3日◇30日◇東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)◇賞金総額1億3000万円(優勝4000万円) 賞金ランキング2番手からの逆転を狙う金谷拓実(26=Yogibo)は5バーディー、3ボギーの68で回り、通算6アンダーの204で4位をキープした。同ランキングトップの平田憲聖は13位に後退。仮に最終日もこの順位で変わらなかった場合、金谷が自身初の賞金王を獲得する。大会の優勝争いは中島啓太が通算11アンダーで首位キープ。1打差で片岡尚之とS・ノリスと並ぶ。 ◇ ◇ ◇ 逆転での賞金王が、金谷の視界にはっきり広がった。積極的に攻めて5バーディーを獲得。16番パー4で約4メートルのバーディーパットを決めると、直後の17番パー5でもスコアを伸ばした。最難関の18番パー3でボギーを喫したが「自分にとって最大限のプレーはできた」と納得顔を浮かべた。 大会開幕前、賞金王争いでトップに立つ平田を288万9657円差で追いかけていた。その最大のライバルが13位に順位を落とした一方で、金谷は4位をキープ。第3ラウンド(R)終了時の順位をそのままあてはめて賞金計算すれば、すでに金谷が逆転し、94万1010円差でリードしていることになる。 6人が賞金王の可能性を持つとはいえ、金谷と平田の2人にほぼ絞られたといえる。残りの4人は優勝が絶対条件。そのうち最上位6位の木下、岩田と首位中島とは8打差がついている。最終Rに必要な心構えについて金谷は「とにかくいつも通り、自分らしいプレーをやりきりたい」。普段と変わらず、淡々と話す。 首位に5打差の金谷が優勝すれば、平田がどんな順位であっても無条件で賞金王となる。詳細な記録が残る85年以降、シーズン最終戦による優勝で逆転賞金王となったのは00年片山晋呉と17年宮里優作の2人のみ。最終戦2位以下の順位で逆転賞金王となれば、初のレアケースだ。「どんな状況でも1打1打、一生懸命やるだけ」。邪念を振り払い、自分のゴルフに徹する。【奥岡幹浩】