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エンジンを持たないクラシック・ベンツ!│威厳ある雰囲気はそのままに環境に優しく

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octane.jp

「あるお客さんが言ったんです。“いつか私たちはガソリン車を走らせることはできなくなるだろうね”と。それで考えさせられました」と話すのは、メルセデス・ベンツのスペシャルショップ ’SL Shop’のオーナーであるサム・ベイリーである。「私たちはコンクールコンディションへのレストアや、SLをレーシングモデルに仕上げたりと様々なことを行ってきました。なので、エレクトリック化が頭に浮かんだのは自然な流れでもありました」 雰囲気はそのままにEV化されたクラシック・ベンツ(写真9点) EVとなったR107 SLを、ベイリーは’Zero’と呼ぶ。SLをフルエレクトリック化することは大きな挑戦であったが、ちゃんと完成するかということより好奇心のほうが強かったという。「一回、別の車で試してみるべきではありましたね。とりあえず、プロジェクトを始めるにあたってパーツをかき集めました」。その結果としてSLは美しいEVへと仕上げられた。レストアショップとしてSL Shopが高い技術を持っているということを示すだけでなく、環境問題改善への貢献にも繋がるのだ。技術と知識が不足している状態で行っていたら、プロジェクトの途中でSLは放置されてしまう、なんてこともあったかもしれない。その場合、すべてリサイクルに回され、違う姿で役立っていたということも考えられるが。 とにかく、このR107 SLは普通ではない。コンクールに出しても全く違和感はないほど美しい。しかし、ボンネットを開けてみるとそこにあるのは直列6気筒 V8エンジンではなく、大きな黒いボックスなのだ。そこにテスラのバッテリーを5個搭載し、さらに5個のバッテリーがもとはスペアホイールがあった場所に隠されている。容量は53kWhになり、航続距離は241kmにも達するという。電気モーターは150hpを発揮する。バリーいわく、これらのパワーによって、SLの威厳ある走りは保つことができているという。 インテリアを見てみると、エアコン吹き出し口に挟まれてバッテリーメーターが備えられている。さらに、センターコンソールに置けばワイヤレスでスマートフォンを充電できるようになっている。 キーを回してみると、静かに動き始めた。3速は高速道路をかなり速いスピードで走る時くらいでしか必要にならなそうだ。車らしい唸りはないものの、とても律儀で正しいものに乗っているという感覚にさせられる。おそらく、都市部を走るときに最も活躍するだろう。全く罪悪感もなく、かっこいい車を走らせることができるのだから。これからのEVコンバート文化にも期待したい。

Octane Japan 編集部

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