一気に飲み干してしまう沖縄そばの人気スープ 琥珀色のあっさり味 あぶり軟骨を入れて味変も
[胃心地いいね](682)すば処 うゎちち 沖縄市比屋根1の16の27 あっさり味で、透き通った色のスープの沖縄そばが人気を呼ぶ、すば処「うゎちち」。店主の玉城芳信さん(68)は「自分の味覚で勝負ができる」と3年間、いとこが経営するそば屋で修行を積み、転職した。今年9月で開店満16年となる。 【写真】そうめんをサバ缶に漬けて食べる沖縄 食文化を知った理容師さんが開店 6種類のたれで自在に味変 こだわりはスープ。玉城さんが「透明度」と表現するスープは琥珀(こはく)色。豚肉をゆがいて、あくを抜く。そこにEM(有用微生物群)などを含んだ水を入れて一晩寝かせて翌日、かつおぶしや昆布を入れて仕上げる。「スープは水が命。この水を使うとカルキ臭もなくなりまろやかになる」という。店ではジューシーを炊くときや飲料水でも使っている。 スープに合う細麺は、ストレートとちぢれの2種類から選択でき、各そばは大中小から選べる。 そばのメニューは8種類。かつおだしのあっさりした風味が細麺にさらっと絡み、スープまで一気に飲み干してしまう。備え付けのコーレーグースを少し足すとコクが増す。 あぶり軟骨そばは、バーナーであぶった軟骨が別皿に。16年間継ぎ足し続けているしょうゆと砂糖のたれが染みこみ、口に入れるととろっと溶け、甘みと香ばしさが広がる。 勧められた通り、軟骨の1枚目は添えられたわさびを付けるとさっぱりした味わいに。2枚目をそばに入れるとあぶりの香りでスープが別ものに変わった。1食でいくつもの味が楽しめる。お子様そばや肉の単品メニューもある。 互いの店舗の味の向上へ、中部地域のそば店主らと2016年に「てんの会」を発足させ、情報交換しながら切磋琢磨(せっさたくま)している。「向上心がないとお客さんは離れる。もっとおいしいものを作りたいから」。玉城さんが、沖縄そばの「命」と語るスープへのこだわりが客を引きつけている。 (中部報道部・伊集竜太郎)=金曜日掲載 【お店データ】営業時間は午前10時~午後3時。水曜定休。電話098(933)6009