五稜郭のサクラがボヤ、木の穴にたばこの吸い殻 あえてツイートした思い 「犯人を捜したいわけではない」
華やかだけでない
ツイッターでは「防犯カメラをつければいい」「警察に通報した方がいい」「公園内を禁煙にすればいい」などの考えが寄せられました。 実際には防犯カメラは設置すること自体に様々なハードルがあるなど、「どれも、最後の手段だと思っています」。 何より、強い思いがありました。「犯人捜しをしたいわけではありません。シンプルに、やめてほしいんです」。 再発防止に向けて、五稜郭公園の担当者が考えたのは、「やりにくくする」ように、社会の目を向け、やりにくい空気を作ることでした。 多くの関心が集まれば、防犯カメラよりも効果があるかもしれません。 そのための投稿でした。 公園の美しい景色が多い投稿の中で、ボヤの投稿は異色でした。それでも、「公園は、華やかなことばかりじゃない。こういうこともあると知ってほしかった」。 投稿する前は、マナーがある愛煙家の人などに肩身が狭い思いをさせるかもしれない、という懸念もあったそうです。 今のところ、問題のサクラがある一帯は、喫煙が可能です。灰皿などは設置されておらず、多くの愛煙家は携帯灰皿を持参していると強調します。
大切にする人が増えてほしい
ボヤが起きたサクラは、いまのところ、元気だといいます。でも、木が自分の力で修復するのには相当な時間がかかります。「いつ樹勢(生育状況)が落ちるか、わかりません。最悪、枯死してしまいます。注視していくことが必要です」 被害にあったほかのサクラも、人工樹皮で覆うか検討していますが、園内約1600本のサクラに施すのは難しいです。 かといって、園内中に注意書きの看板を立てるなどのことは考えていません。 マナーを守って公園を楽しむ人がほとんどの中、公園が注意書きの看板ばかりになってしまうことを想像すると、「不快な気持ちになってしまう人がいるかもしれない」という葛藤があるそうです。 ツイートには、予想を超える反響が集まりました。それを一つの希望にしています。 「これをきっかけに、五稜郭だけでなく、函館市内、ひいては全国で、身近な公園に関心を向けて、自然を大切にする人が増えてほしいです。そして、何より、もう二度とこういうことが起きないように願っています」