公道で自動運転実証スタート 伊勢内宮周辺、「レベル2」8人乗りバス 三重
【伊勢】三重県伊勢市の伊勢神宮内宮周辺で30日、公道での自動運転バスの実証実験が始まった。令和15年の神宮式年遷宮に向け、観光客や交通弱者の新たな公共交通の手段として、実用化に向けた検証を行う。実験期間は、12月13日まで。 市や市観光協会、企業など官民でつくる伊勢市自動運転実行委員会が、国交省の補助を受けて実施。自動運転のシステム開発や提供を手がける「BOLDLY(ボードリー)」(東京都)が運行を担う。 運行区間は、内宮近くの市営駐車場(浦田B2駐車場)から、国道23号を通り、内宮宇治橋前までの片道1・2キロ。定員8人乗りの自動運転電気バスが、時速20キロ以下で走行する。実験は、安全確認などをする運転手(オペレーター)が乗る「レベル2」で実施。地元の観光ガイドも同乗し、伊勢や神宮について案内もする。期間中の午前10―午後4時の間で運行区間を往復し、誰でも無料で乗車できる。 実行委は、利用者アンケートでニーズなどを調べたり、周囲の車や歩行者に対する安全性などを検証。将来的に、運転手なしの「レベル4」の自動運転を目指し、運送業の運転手不足対策につなげる考え。 実証実験に先立ち、29日は、関係者による出発式と試乗があった。鈴木健一市長は「これからの公共交通の新たなスタート。市民生活や、障害者や高齢者の観光の支援にもつながると期待している」と話した。