巨人の23歳成長株に覚醒の予感 他球団が「今永昇太と重なる」警戒の左腕は
メジャーで活躍する今永
球速ではなく、打者を抑える直球の質を追い求める。DeNAから昨オフにポスティング・システムでカブスに移籍した今永はそのスタイルを体現している。140キロ台後半の高めに浮き上がる直球を効果的に今季18試合登板で8勝2敗、防御率2.86。メジャー移籍1年目で球宴の舞台に登板した。DeNA時代は決して順風満帆だったわけではない。プロ7年目の22年。左肩のクリーニング手術から復帰した21年のシーズン中に、直球に対しての考え方が変わったことを明かしていた。 「今は真っすぐで抑えてやろうとか、そういう考えはなくて、強引に力勝負だけに頼らない姿勢が伊藤光さんの配球とあいまってハマっているのかもしれません。それは『よし』とする部分だと思います。ストレートがまだまだと思っているからこそ丁寧な投球につながったり、『この打者は強引に勝負したら打たれるな……』と考えられるようになってきています。手術前までは元気に腕を振れば、抑えられたかもしれないけど、今はそうじゃないことを自分が自覚しています。冷静に投げられている部分はあるのかなと思います」 井上も殻を破るためには、打者を見る洞察力を磨き、良いパフォーマンスの再現性を高めることが重要になる。7月17日の阪神戦(東京ドーム)は5回途中3失点。ボール球先行の投球で、最後までリズムを作れなかった。先発ローテーションに定着するためには、状態が悪くても試合を作る能力が必要になる。 27日のDeNA戦(横浜)に先発する。将来を嘱望される左腕にチームを勢いづける快投を期待したい。 写真=BBM
週刊ベースボール