信じられない…犬3匹を密封、窒息死させる 3600万円を売り上げた男に罰金40万円命令、元動物販売業「繁殖できない犬、生かすと経費かかる」 杉本彩さん「実刑判決が出るべき」と訴えていた
また、10年ほど前に近くに移住してきた男性(58)は、施設の敷地内で何かを燃やす男を目撃していた。外に干していた洗濯物に臭いがついてしまい、話を聞くと、「死んだ犬を燃やしている」と言われたという。 近所で3~4年前から犬などの動物を飼育している70代男性によると、同施設には男以外に複数の親族が出入りしており、中には作業をしていた人もいた。過去に何度か警察官が同施設を訪れていたのを見ており、「近隣住民ともトラブルを抱えていたようで、目に余る」とあきれた表情で語った。 ■明確に殺傷、初の実刑を 動物愛護に取り組む俳優の杉本彩さん 公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」(東京都渋谷区)の理事長で、動物愛護に取り組む俳優の杉本彩さんは、埼玉新聞の取材に「本当に恐ろしく、ペット業界の倫理観のなさが改めて浮き彫りになった」と答えた。動物愛護法では動物を殺傷すると5年以下の懲役または500万円以下の罰金と定められている。「利益のために明確に意図を持って殺傷している。動物虐待事件としては初の実刑判決が出るべきだ」と話した。
県生活衛生課によると、事業者として動物の販売などを行う「第一種動物取扱業者」は県内に2970施設。5年ごとの更新の際や、虐待などの情報提供や苦情があった場合に検査を行い、問題があれば指導し、改善を確認しているという。また、2019年の改正動物愛護法は生後56日以内の販売禁止や、繁殖の年齢上限などを設け、動物虐待の罰則も強化した。 しかし、同法人の松井久美子事務局長は「適切な飼育で犬や猫の健康が守られていない状況がまん延している」と指摘する。「そもそも終生飼育が原則。適正な里親に譲り渡す必要があるが、悪質な業者は繁殖時期を過ぎた犬や猫の受け皿として保護犬、猫の仕組みを利用している」と言う。