【カンボジア】6月末の融資残高2.6%増、過去20年で最低
カンボジア国立銀行(中央銀行)によると、商業銀行など金融機関による2024年6月末時点の融資残高は前年同期比2.6%増の238兆1,000億リエル(約8兆4,600億円)だった。増加率は過去20年間で最も低い水準にとどまった。クメール・タイムズ(電子版)が22日伝えた。 中銀は、新型コロナウイルス禍からの回復が一部産業で遅れていることや、金融機関が資金の貸し出しに慎重になったことが成長低迷の原因と述べた。 業種別の融資額は、小売業向けが17.4%、不動産が11.3%、建設が9.7%、農林水産が8.9%、卸売りが8.8%、製造が4.4%、ホテル・飲食業が3.8%、それぞれ増加。住宅ローンと個人ローンはそれぞれ12.6%増、10.1%増だった。 不良債権は5月末時点で総額31億9,000万米ドル(約4,641億円)となり、23年末時点から23%増加した。 不良債権比率は銀行が5.50%、マイクロファイナンス(小口金融)が6.23%。23年末時点のそれぞれ4.52%、4.87%から上昇した。 6月末時点の預金残高は前年同期比13.4%増の209兆9,000億リエル。預金口座数は2,130万件、融資口座は400万件だった。銀行の総資産は14.4%増の328兆5,000億リエルだった。 カンボジア銀行協会(ABC)のラット・ソポアン会長は、24年の融資の伸びは、銀行に限れば10%前後になるとの見通しを示した。