「発達障害が食事で治る」はウソ。正しい情報の入手方法を覚えておこう
こんにちは。外科医ちっちです。インターネットが普及し、誰もが発信できるようになった弊害は、「偽情報を、さも真実のように語る人」が現れたこと。何割かの人は、その偽情報を鵜呑みにしています。 今回は、特によく見かける「サプリや特定の食べ物で発達障害が治る」はウソである根拠と、正しい情報を手に入れる方法をお伝えします。情報化社会の今、自身で正しい情報を得て考え、判断できるすべを身に付けることが必要です。
*私は医師免許を持っていますが、専門は外科で小児発達の専門ではありません。あくまで、「非専門医が興味を持って少し調べた結果、こう思った」程度のことです。
発達障害が○○で治るはウソ。根拠は何?
サプリや特定の栄養素で発達障害が治らないという根拠はひとつ。発達障害は「脳の機能の問題だから」です。そうしたもので脳機能が劇的に変化するとは考えられません。 「発達障害は治らないのか?」という疑問の答えは「Yes」です。ただ、治ることはありませんが、症状の緩和や対応の工夫はできます。発達障害の困りごとは、環境調整や認知行動療法などによって減らすことができます。経験や成長によって、本人が対処できることも増えていきます。
自分で考え、判断するために必要なこと。正しい情報へのアクセスの仕方
ここからは少し専門的な話になります。 医師は、医学の正しい情報を手に入れたい時、世界中の医学論文を読みます 【【医学論文とは?】】 病気に対して有効な治療法が見つかった時に、医師は論文にして発表します。実験や観察の結果、「客観的にこの治療が効いた」という結果を発表し、これをもとに全世界の医師がその情報の検証と利用をしています。 【【医学論文の調べ方-基本】】 最も大きい論文検索サイトとして、世界(英語)では「PubMed」、日本では「医学中央雑誌」があります。私たち医師が詳しい治療法を調べる時や、学会発表・論文投稿する際にもここで検索します。
実際に「発達障害・自閉症と食事療法」について調べてみましょう。 PubMedで検索してみます。 【【キーワード】】 ・自閉スペクトラム障害 Autism spectrum disorder ・発達障害 developmental disabilityと食事(diet)や栄養療法(Nutritional therapy) ・ 類義語含む