日本の女優は今、「ファニー・フェイス」の時代、映画にネット、テレビドラマで活躍する見上愛、古川琴音、髙石あかり
Netflixで8月末から世界配信されている「恋愛バトルロワイヤル」では、裕福な子女が通っている男女共学の私立高校に通う高校生・有沢唯千花を演じている。彼女の役どころは母子家庭の出身で懸命に学園のなかで浮いた存在にならないようにしている。 学園の生徒たちは恋愛禁止の拘束に縛られている。自校だけではなく他校の生徒とであっても、交際が発覚すると退学になる。学園は交際の証拠となる写真などを投稿する密告のサイトも設けている。 唯千花(見上)は、交際を明らかにするキスシーンやラブ・ホテルに入っていくところなどを投稿したサイトの管理者である、スクルール・カウンセラーの個室に早朝に忍び込んではサイトを撮影して、消去したうえで、本人に現金20万円をコインロッカーに入れておくことを条件にして密告サイトの証拠を消す、という脅迫まがいのカネ稼ぎを始める。 彼女自身が県知事の息子である生徒と恋愛に落ち、男子生徒や女子生徒同士の恋愛模様も絡んでいく。日本のコミックが得意として、欧米に受けているBL(ボーイズ・ラブ)モノを思わせる。 優等生でありながら、事実上恐喝まがいの犯罪に手を染めている唯千花の役を、ファニー・フェイスの見上は魅力的に演じている。岩井俊二監督が黒木華を評したように、Netflixが世界配信のドラマのヒロインに見上を抜擢したわけがよくわかる。 ちなみに、見上はこの作品に先立って、同じ世界配信で「幽☆遊☆白書」の妖怪と人間の戦いにおいて、涙が宝石になる美しい妖怪役で好演している。世界に足がかりをつかんでいる日本のファニー・フェイスの代表的な存在である。
「海のはじまり」の古川琴音
大ヒットドラマ「海のはじまり」(フジテレビ系、月曜よる9時)は、大詰めを迎えている。大学生時代に恋人同士だった、月岡夏(目黒蓮)と南雲水季(古川琴音)の間にできた子どもである南雲海(泉谷星奈)と周囲をめぐる物語は、海を残してガンでなくなった水季役の古川琴音の演技がヒットにつながったひとつの要因だろう。迷いながらも自分の意思を貫き、強くてそして弱い。 夏(目黒)と現在の恋人である百瀬弥生(有村架純)がいったんは、海の母親になる決心をするが、つねに水季(古川)のカゲがつきまとい、別れることになった。夏は、父娘のふたりで生きていくことを決意する。最終回のなかで、海はどのような子どもとの生活を歩むことになるのだろうか。 古川琴音もまた、ファニー・フェイスの優れた女優である。実は見上愛が出演したNetflixの「幽☆遊☆白書」では、閻魔大王の息子であるコエンマ(町田啓太)の使いとなっている、ぼたんを演じている。 最新の映画「言えない秘密」(河合勇人監督)では、古川がすでに亡くなった音大生役として、現代を生きる男性と時空を超えて愛し合う姿に涙を誘った。