Microsoft、水を使わない次世代データセンター技術を発表
米Microsoftは12月9日(現地時間)、冷却に水を一切使用しない次世代データセンターの設計を発表した。AIのワークロードに最適化されており、チップレベルの冷却ソリューションを採用することで、水の蒸発なしに正確な温度制御を実現するとしている。 データセンター内のトイレやなどの管理目的で水は依然として使用されるものの、この設計により、データセンター1施設当たり年間1億2500万リットル以上の水を節約できるという。 このゼロウォーター冷却設計では、水を閉ループシステムで循環させる。建設中にシステムに水を満たせば、サーバとチラーの間で水が循環し続け、新たな水供給を必要とせずに熱を放散する。 Microsoftは、2000年代初頭から水の使用量削減に取り組んでおり、第1世代のデータセンターと比べてWUE(Water Usage Effectiveness:水使用効率)を80%向上させている。将来的には、Microsoftのデータセンター全体のWUEをさらに削減することが期待されるとしている。 現在のデータセンターは空冷式と水冷式のシステムが混在しているが、2026年にアリゾナ州フェニックスとウィスコンシン州マウントプレザントで、水を蒸発させない設計のパイロットプロジェクトを実施する計画だ。 2024年8月以降、Microsoftのすべての新しいデータセンター設計でこの次世代冷却技術が使用されている。 これらの新しいデータセンターは2027年後半に稼働開始予定だ。
ITmedia NEWS