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新型コロナウイルスの出現は人間の傲慢さに対する警鐘か?

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ニッポン放送

「報道部畑中デスクの独り言」(第194回) ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、新型コロナウイルスの出現と生態系について―

「カーーッ」「アーーッ」「ギャーース」 緊急事態宣言が発表されていたとき、自宅近くでカラスの鳴き声をよく聞きました。また、路上には鳥の糞の跡も目立ちました。トランス(変圧器)の箱がある電線の下で特に多かったと感じます。外出自粛で外を歩く人間の姿が少なくなった間、さまざまな変化があったようです。 外出自粛の間、ゴミも増えました。「断・捨・離」を決行した人も多かったのではないでしょうか。ゴミ集積場には紐でくくられた、おびただしい量の書籍ゴミを頻繁に見ました。それも普段見ることが多い雑誌に加え、ビジネス書籍も目立ちました。ビジネスマンがこれを機に思い切って処分したのでしょう。 さらに、自宅で食事をする機会も増えたのでしょうか? 住宅街ではゴミ袋を破って、なかの“食材”をつつくカラスの姿も普段より多かった気がします。ゴミ処理に関しては、業者の皆さんが急な“需要”になかなか追いつけないという話も聞きました。 人間が外を出歩かなくなったことで、鳥の警戒心が薄れたのではないか…山階鳥類研究所に素朴な疑問をぶつけてみました。担当者によると、「人間の外出が減った分、鳥の数が増えた」ことを示すデータは、いまのところないということです。 一方、カラスやスズメなどは人間活動による餌に依存しています。「通常は人通りがあり過ぎてアクセスできない餌に、外出自粛のいまはありつけるということが起こっている可能性はある」と話していました。“鬼のいぬ間に”ということだったのでしょうか。 また、鳥の持つ警戒心については、「警戒心が変わるというのが一夜にして起こることは考えづらい。むしろ人間が少ないために、街で目立つということはあるかも知れない」とのことでした。 新型コロナウイルスの猛威によって「新しい生活様式」「新しい日常」を構築することが推奨されています。しかし、これはあくまでも“人間本位”の考え方。鳥が増えたと感じるのも、単なる人間側の考え方による“錯覚”なのかも知れません。 一方、感染症は新型コロナウイルスだけではありません。ジカ熱、エボラ出血熱なども経済優先社会による人間の移動により、感染拡大につながったという見方があります。来年(2021年)に延期された国際的な催事、東京オリンピック・パラリンピックを前に感染症を抑えることができるのか…日本も他人事ではありません。 マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏は2015年の演説で、「今後数十年以内に1000万人以上を死なせるものがあるとするなら、戦争というよりは、感染性の高いウイルスの可能性がある」と警告していました。まさに5年前に現状を“予言”していたことになります。 また、研究者の間では、そもそもウイルスというものは人間が生まれる前から存在し、増えすぎた生物の個体を減らすことが役割であるとも言われています。国連の推計によると、地球上の人口は現在77億人、2050年にはほぼ100億人に達する見込みです。 そうした人口爆発が起きれば、自然のサイクルを超えたエネルギー消費と物質生産が繰り返され、生態系が崩壊する。それを防ぐためにウイルスが“調整”しているのだと…。 緊急事態宣言は5月25日までに全面解除となりましたが、東京では感染者が再び増加に転じ、6月2日に「東京アラート」が発動されました。感染防止に向けた対策はこれからも必要です。 一方でこれまでを振り返るとき、新型コロナウイルス感染症は人間の傲慢さに対する警鐘であるとも感じます。人間の都合だけではなく、自然と謙虚に向き合うことが新たに求められているのかも知れません。(了)

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