《ブラジル》令和3年=疫病終息祈ってきた歴代天皇=コロナ禍で新たなご公務模索=新年に皇室の弥栄を祈念
令和を迎えて、早や2年。新たな御代が華々しく幕開けした天皇御一代限りの即位に関する一連の儀式に続き、東京五輪の開催により国中が沸く一年になるであろうことを誰もが想像していただろう――。ところが、新型コロナウイルス感染拡大により、国民生活は一変。多くの尊い命が犠牲となり、新たな生活様式への変更を余儀なくされる激動の年となった。そのような厳しい状況のなかでも、国民に常に寄り添い、新たなご公務の在り方を模索される皇室のお姿があった。
両陛下、初のオンライン行幸啓へ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、行事や式典の中止や延期が相次ぐなか、皇室のご公務もまた様々な形で変更を余儀なくされた一年だった。 国民のなかに入って、人々の傍らに立ち、その声に耳を傾けるという「平成流」のご公務の在り方が困難になるなか、新たな生活様式に適応して、オンラインでのご公務を行われたのは画期的であったと言えそうだ。 天皇皇后両陛下は、オンライン行幸啓として、北海道、福島、東京、沖縄の全国4つの赤十字病院の拠点をご視察された。医療の現場や各地域の状況などについてご下問され、自らの危険を顧みずに第一線で患者さんの命を救うために尽力している医師従事者らに深い感謝と励ましのお言葉をかけられた。 オンラインでの触れ合いを持たれる機会を大切にされる一方で、様々な分野の専門家からご進講を受け、新型コロナウイルス感染症により苦労している人々の置かれた状況をよりよく理解することにも務めてこられた。 皇后陛下は、旧年12月のお誕生日に際してのお言葉のなかで、次のように述べられている。《国民の皆様の現在の困難な状況を思うとき、国民のお一人お一人が、幸せであっていただきたいかけがえのない存在であるということを身にしみて感じます》 新型コロナウイルス感染拡大が経済社会活動にまで大きな影響を及ぼし、様々な人が苦境に立たされる一方で、弱い立場に置かれている人々を支えるため尽力している人々がいる。そうした国民の一人一人にまで深く思いを巡らせ、心を寄り添われている。