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アップルと「フォートナイト」全面戦争の行方…“落とし所”はどこなのか

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BUSINESS INSIDER JAPAN

「追加課金にも30%の手数料を取られる」ことは適正か

もう1つ重要なことは、この「30%ルール」は、アプリ単体の販売だけにかかるわけではない、という点だ。 アプリの中から購入する部分、例えば、追加コンテンツなどの利用や、サブスクリプションの契約にも関係する(ただし、サブスクリプションについては、契約が1年継続した後には15%になる、というルールも存在する)。 この「追加課金に対しても、基本的にはAppStore経由でなくてはならず、30%というルールが適応される」というのが、今回のフォートナイトの件での焦点だ。 フォートナイトがストアから削除された直接の原因は、「アプリ内に、AppStore以外からの課金の仕組みを用意した」ことにある。 以下はフォートナイト内の画面だ。アイテムを購入するためのゲーム内通貨を購入する画面に、「Apple AppStore」とEpic Games独自決済の「Epic ディレクトペイメント」が並んでいて、「Epic ディレクトペイメント」の方が大幅に安い。 これが、アップルが定める「アプリ内からの購入で、AppStore以外からの課金の仕組みを回避ことを許諾しない」というルールに抵触したため、アプリの登録が取り消されたのだ。 このやり方がルール違反であり、アップルがアプリ登録を取り消す(その後、グーグルも追随する)ことは、容易に想像がつくことだ。Epic Gamesはもちろん、「アップルが対応してくることを想定した上で、わざとこうしている」のだ。 そして、登録取り消しを見越して、動画の拡散と独禁法違反での提訴の準備をしていた。アップルとの妥協点が見出せないことをわかった上で、準備万端整えて戦いに臨んだ、ということだ。

1つの本質は「アプリ内からの課金」の多様性にあり

「アプリ内からはApp Storeでの課金を回避してはならない」というルールには、過去から異議も出され、対策もなされてきた。 もっともわかりやすい例は、「追加コンテンツやサブスクリプションにApp Storeを使わない」というやり方だ。 アマゾンの電子書籍ストア「Kindle」は、よく知られるように、iPhone/iPadの場合、Kindleアプリ内から本を買えない。ウェブブラウザー経由でアマゾンを開いて買う。 映像配信大手のネットフリックスは、2018年12月にAppStore経由でのサブスクリプション契約の受付を止めた。 現在、新規契約するには、ウェブから課金登録をする必要がある。音楽配信サービスのSpotifyも同様の措置を取っている。 これらは、追加コンテンツへのAppStore課金を回避する仕組みと言える。アプリから一旦離れないと使えないため、使い勝手はその分落ちる。 フォートナイトの中で「Epic ディレクトペイメント」での決済だと安くなったのは、AppStoreが徴収する手数料がない分、Epic Gamesが安い価格をつけているからだ。 「では、同様の仕組みをEpicも使えば良かったのでは……」と思うだろう。だが、実際にはそれはできない。 この仕組みはゲームのようなアプリには許諾されていないからだ。また、「直接的にアプリの中で他の決済手段を使う」ことは、他のコンテンツでも許されていない。 Epic Gamesは、「ユーザーに安価にコンテンツを提供するためにマージンを減らしたい」という点、「アプリから直接課金で自社に誘導し、使い勝手を維持したい」という点の両方でブレイクスルーを狙うために、アップルとの全面対決を選んだのだ。

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