新型GLAこそ“ホンモノ”のメルセデス!? コンパクトSUVとは思えぬ出来栄えとは
GLAとGLBの違い
じつはGLAとGLBを前にして筆者が思ったのは、GLAは「なんて地味なんだろう!」ということだった。先代GLAにしてから筆者の記憶のなかではおぼろげだということもある。まして隣にGLBがある。オフロード4×4らしいはっきりした輪郭と存在感のGLBに較べ、GLAはいささか影が薄い。都会派のSUVクーペと呼ぶにはクーペっぽくもない。う~む。という感じ。 ところがです。走り始めると、そのやさしい乗り心地とメルセデス・ベンツならではのボディの堅牢感、ディーゼル・ターボ・エンジンのやさしいトルクの出方、強力なブレーキに、俄然、カタチまでよく見えてきた。勝手なことばかり言って、どーもすいません。 GLAとGLBがメルセデス・ベンツ日本にとって2020年の目玉だったことは疑いない。どちらも、Aクラスと同じ、エンジン横置き前輪駆動プラットフォームをベースとするコンパクトSUVのブラザーである。 ただし、GLBのホイールベースは2830mmと、Aクラスとおなじ長さのGLAよりも100mm長く、エンジン縦置きプラットフォームの、ひとつ上のクラスのGLCの2875mmに迫るサイズを誇っている。GLBは横置きのGLAと縦置きのGLCの間の小さからぬ空白を埋める重要な役割を担ってもいるのだ。 世界的に人気の、Gクラスを思わせる、本格4×4っぽい四角いカタチにくわえて、国内ではニッポン人が大好きな3列シートの7人乗りが標準だ。GLAにはない加点要素がふたつもある。 GLBのほうがメルセデス・ベンツ日本もスポットライトが当たると見たのだろう。GLAが200d 4MATICの1グレードのみなのに対して、GLBは前述したように200dと250 4MATIC スポーツの2本立てとしている。 ちなみにその販売比率は65:35と、200dのほうが多い。200dは車両価格512万円、250は696万円と、250のほうが断然高いのだから当然だ。 話はここからが肝心である。ようするに筆者は、なぜGLBの200dには4MATICがないのだ、という疑問を呈してきた。しかして、メルセデス・ベンツ日本はGLBのラインナップをさらに充実させるべく、時期は未定ながら、200d 4MATICを導入すべく準備中だということが明らかにされた。 この200dの4MATICがコンフォートサスペンションとなれば、これがいちばんよい、と筆者は推察する。ただし、車両価格はガソリンよりディーゼルの方が高いのが常識だから、700万円を超える可能性がある。 そうなると、GLA 200d 4MATICの502万円という価格はますますもって魅力的にピカピカと光り輝き始める。いや、筆者にはわからなかっただけで、そうならなくても、その魅力はピカピカと光り輝いているというべきか、2代目GLAの販売は「大変好調。(具体的な販売台数は申し上げられません)」で、約80%が試乗車と同様、AMGラインを装着しているという。GLAオウナーになる方々はよりスポーティなルックスがお好みなのだ。 AMGラインは、外観では前後サイドのスポイラーや19インチ のAMG 5ツインスポークアルミホイール等、内装では本革巻きマルチファンクションステアリング等を含む、28万円のオプションである。