韓国の「非常戒厳」で勃発! なぜか日本で殴り合うSNSの「リベラル」vs.「トンガリ保守」。でも本当にヤバいのは……
先週いきなり炸裂した、韓国のユン大統領による非常戒厳、いわゆる戒厳令ですが、まず「X」などのSNSに速報が流れ、それを数時間遅れでメディアが後追いする珍しい展開となりました。 この記事の他の画像を見る ただ翌日以降は、日本国内のリベラルと保守がSNSで殴り合ういつもの光景でしたね。リベラル諸氏は、 「非常戒厳は民主主義に対する冒涜」 「軍隊の投入は暴挙」 「韓国国民は立ち上がった、次は日本だ」 3つ目はちょっと意味が分かりませんが、とにかく「戒厳令」「非常戒厳」というワードにかなりお怒りの様子。一方で保守勢、特にトンガリ系の方々は、 「次の政権は反日になりそう?じゃあ縁を切れ!」 「大統領の親日が悪?ふざけるな」 「野党の弾劾理由、日本への言いがかりだろ」 と、その多くが「反日」という切り口でお怒り。そんな両者がSNSですれ違う度、アチコチで殴り合いが起きていたんですが、でも今回の騒動、実は日本にとってかなり深刻な話です。 まず「非常戒厳」について確認しておくと、韓国の憲法では、国家が危機に陥った際、大統領による軍隊を伴った緊急措置を認めており、国民の自由を制限できることも定めています。 まあ韓国って厳密には戦争中だし、隣国がアレだし、昔からスパイも大勢入り込んでいるし「そういう事態」が起きうるから非常戒厳が用意されているワケで、同時に戒厳を終了させるルールも定められています。 事実、今回も「国会在籍議員の過半数の賛成で戒厳は解除」というルールに基づき、たった6時間でお開きになりました。法的な仕組みを動かし、止められた。あくまで韓国の「法の枠組み」の中で起きたことだと言えます。 奥さんが捕まりそうだから宣布したとか、国会を封鎖しようとした、みたいな残念な話も出ていますが、いずれにせよ、 「国家的危機でもないのに失敗必至の戒厳令をやってしまう政治センス」と「そんな大統領に権限が集まり過ぎている」 ことが問題なのであり、でもそれを直接選挙で選んだのは国民という、すべで韓国のルール・枠組みの中で起きていることなんですね。だから「非常戒厳は民主主義への冒涜」というのはちょっと違うかなと。1987年以降、民主主義国家として歩んできた韓国に対しても失礼な話です。 ユン大統領に対する弾劾は、与党の思惑もあって成立しませんでしたが、でもユン大統領は職務から外しますのでご安心を、みたいな話も出ており、むしろそっちの方がルール的に大丈夫なのかと。世論感情が法やルールを超えてしまうのは、法治国家として非常によろしくないですから。