トランプ大統領 Z世代男性に人気なのはなぜ?ニューヨークZ世代がアメリカ大統領選結果を読み解く
◆ステレオタイプな扱いにZ世代が反発
ダイバーシティ溢れるZ世代はリベラルが多く、これまではマイノリティや女性、LGBTQなど社会的に弱いものの人権を守ろうとする民主党に、圧倒的に寄っていました。だからこそ、マジョリティである白人男性が取り残されたと感じる現象が起き、それがトランプ支持につながったという話は、理解しやすいと思います。 ところが、今回は白人だけでなく、ヒスパニックなどの移民二世や黒人のZ世代が、トランプ支持に傾いていました。マイノリティや移民に対する差別的な発言をするトランプ氏に、なぜ投票したのでしょうか? ラボメンバーが原因を推測します。 ケンジュ:実は、周囲の多くのマイノリティや男性たちは、以前民主党を支持していたんだ。だけども、今回はトランプに投票した。おそらくは、民主党が「ヒスパニックや黒人とはこういうものだ」と、決めつけるようなやり方をしていたことにうんざりしたんだと思う。実際、僕もそうだったからね。 「ハリスは黒人女性だから、黒人は彼女に投票しなければならない」みたいなことだよ。以前もバイデンは「私に投票しないなら黒人じゃない」みたいなことを言っていたよね。僕たちアメリカ人は、人に指図されたりレッテルを貼られたりするのが大嫌いなんだ。 ダイバーシティ化が進んだアメリカZ世代。同じヒスパニック、黒人のなかでも一人ひとりが違う存在だと考えています。リベラルも保守もその人の価値観によります。 だからこそ、「あなたはこの属性だから」と決め付けられることに、若いZ世代は強い反感を持っています。「日本人でも同じことが言えますよね。女だから、男だから、というステレオタイプを嫌う人は増えていると思います」とシェリー。 一方で、アメリカZ世代の6割は、ダイバーシティをポジティブなものとして捉え、アメリカの原動力だと考えています。「しかし、ダイバーシティが進むほど新たな軋轢も生まれます。それがはっきりと明るみに出ただけでなく、こうしたZ世代の特性が政治利用されたのが今回の大統領選だったのではないでしょうか」とシェリーは見解を述べ、話題を締めくくりました。 (interfm「NY Future Lab」2024年11月20日(水)放送より)