除雪担う建設業界が悲鳴「操作員足りない」 福井県で大雪、生活道の除雪課題
2018年2月以来の積雪1メートル超を記録した福井県福井市は、幹線道路の除雪が遅れた3年前の経験を踏まえ、環状西線の一部などの最重点除雪路線や排雪場へのアクセス道路の除雪を優先した結果、生活道路の除雪は後手に回った。作業を担う建設業界は「人手不足と高齢化で除雪機械の操作員が足りない」と悲鳴を上げる。積雪が50センチに達してからとなった初動の遅れを指摘する声には「交通量の多い日中は事故の危険があり難しい」と訴える。 ⇒【空撮動画】雪の北陸道、動かぬ車の列 福井市の道路除雪計画は、生活道路について「新降雪深が10センチを超え、さらに降雪が予想されるとき、(午前)2時ごろまでに出動する」と定める。今回の大雪で市は「顕著な大雪に関する気象情報」が出された8日午前、通常より早い午後9時からの一斉除雪を委託業者に指示すると判断したが、作業開始時の積雪は50センチに達していた。 日中のうちに出動できなかったのか。市道路課の担当者は「交通規制でもしない限り、中心市街地での日中の除雪は渋滞の発生や事故を招きかねない」と強調する。作業を担う建設業者の役員も「狭い生活道路に車が1台でも止まっていると作業が進まない。どうしても車の通行がなくなる夜からになる」と話す。 松本地区の住宅地を担う除雪機械の操作員(62)は、指示通り8日午後9時に作業を始めた。担当する4~5キロの生活道路の作業を翌朝6時に終えたとき、開始地点には既に20センチ近く雪が積もっていた。「積もった雪の上を日中に車が走って圧雪になり、次の夜は表面を取り除くだけで精いっぱいだった」と悪循環を語る。