金田久美子は前半戦フル出場圏内を下回り涙「逃げるみたいにはなりたくない」難病抱えながらも来季復活へ闘志
「女子ゴルフ・QTファイナル・最終日」(29日、葛城GC宇刈C=パー72) 来季前半戦の出場優先順が決まり、ツアー2勝の金田久美子(35)=スタンレー電気=は通算6オーバーでQT49位。来季前半戦はある程度の出場試合確保が予想される順位だが、フル参戦は難しい立ち位置となった。 【写真】モデルにしか見えない 金田久美子のミニワンピ姿 55位から出た最終日は2バーディー、3ボギーの73でラウンド。インから出て10、17番と二つのバーディーを奪い、一時はフル出場確保が見える位置まで浮上した。しかし、前半最後の18番でボギーをたたくと、後半は上がり3ホールでさらに二つ落とした。40位付近は1ストロークで来季前半の出場試合数が大きく左右されるだけに、ホールアウト後に取材に応じた金田は4日間を振り返り「もうとにかくパターだった。今年は最後までパターが悪くて、QTも何も入ってくれなかった」と目に涙を浮かべた。 昨年も最終QTに出場して50位。上位には入れなかったが、今季序盤は限られた試合数の中でリランキングを突破した。第1回リランキング決定翌週のアース・モンダミン・カップでは17位と奮闘し、その時点でのメルセデスランキングは55位に浮上。順調にシード返り咲きへの道を歩んでいたはずだった。 だが、思わぬ災難に見舞われ、夏場以降は苦戦が続いた、7月中旬にはめまい、耳鳴りや睡眠不足と日常生活に支障をきたしてしまう難病の「メニエール病」を発症。治療の難しい病気で、治療法は「寝るしかないと言われる。(あとは)漢方とかしかないから。漢方を出してもらったんですけど、ドーピングにあたるし…」。毎晩早ければ午後8時に寝床につくも、一向に深い眠りにつけない。文字通りの眠れない日々が続き、体調不良が影響して成績は下降線をたどった。 難病を抱え、年齢もツアーではベテランと言われる域に。それでも、ツアーで戦うモチベーションは失っていなかった。「ショットが本当、3、4年前から良くなってきているからまだできると思えるんですよね。もう少しできるというのが、私の中である」。ツアーを一時休養して、治療に専念する選択肢も「あまりなかった。なんか逃げるみたいになりたくない」と話す。 来季復活に闘志を燃やす金田は24年シーズンと同じように、来季は限られた序盤戦からリランキング突破を目指していく。もっとも、シーズン最終盤にきて、悩まされていた症状はようやく快方に向かっている。「だいぶ良くなりました。ちょっとは寝られるようになりましたし、夏はもうゴルフができないんじゃないかと。よくここまで持ってきたなというくらいだと思う」と明るい兆しが見えている。