新垣結衣と早瀬憩が体現する“理解を前提にしない”生き方に救われる ――「違国日記」
インタビューに加え「あさのうた」や「包団(パオダン)」メイキングなど充実の特典映像
Blu-rayのみに収録される映像特典には、約39分のメイキング&インタビューをはじめ、イベント集(完成披露上映会・公開直前イベント・公開記念舞台挨拶・大ヒット御礼舞台挨拶)や、高校の軽音部でボーカルを務める朝が披露する「あさのうた」の特別映像に加え、醍醐と槙生と朝の3人が「包団(パオダン)」を結成して餃子づくりに挑戦する場面のメイキングも収録されるというから期待が高まる。 メイキング&インタビューでは、撮影の舞台裏に密着した映像に併せ、「もともと原作のファンだった」という新垣が、槙生役に「覚悟を決めて」挑んだ様子や、初めてとは思えぬほど現場を満喫する早瀬の“素顔”も映し出される。中でも、原作に散りばめられた示唆に富んだフレーズの数々を、生身の人間としていかに自然かつ印象的に表現できるかを探りながら、「現場でちょこちょこ原作を読み返しては、『ヨーイ!』の声が掛かる直前に原作の槙生の顔を必ず思い浮かべるようにしていた」という新垣の言葉に、胸を打たれた。 「あなたと私は別の人間であって、あなたの感情も、私の感情も自分だけのものだから、わかちあうことはできない」という前提の上で、「それでも一緒に居たい」と思える相手と、互いに歩み寄り、共に暮らす姿が生きづらさを抱える人たちの心の灯となれば――。本編を観返すたび、制作陣のそんな思いが伝わってくる。 文=渡邊玲子 制作=キネマ旬報社
キネマ旬報社