佐藤琢磨アドバイザー、渡辺康治社長が角田裕毅のレッドブルでのF1テストと来季シートに言及「あとは本当に祈るのみ」
ホンダ/HRCの2025年四輪レース体制発表会が都内で行われ、国内外のラインアップ発表とともに、その後の質疑応答ではこの発表会の前日にアブダビで開催されたF1テストでレッドブルのマシンで参加した角田裕毅の2025年の去就についても話が及んだ。渡辺康治HRC社長、そして佐藤琢磨HRCエグゼクティブ・アドバイザーが期待とともに角田、そして同じくテストに参加した岩佐歩夢について言及した。 【写真】2024年F1アブダビテストにレッドブルから参加した角田裕毅 ⚫︎渡辺康治HRC社長「お願いしていたテスト参加を実現できた。本人も非常に満足していると聞いています」 「昨日(12/10火曜)の午後にアブダビから日本に戻ってきまして、土曜日にも(レッドブルF1チーム代表)クリスチャン・ホーナーさんと来シーズン以降のドライバーについていろいろ議論はさせて頂いております。毎回申し上げているとおり、チームにドライバーの決定権はありますから、我々はあくまで参考意見ということになるのですが、HRC側としては角田選手にも十分にレッドブル昇格の実力がある、候補のひとりになるべき人だと思っています。我々ができることは、彼がしっかりと実力を世の中に見せることができる場を提供することと考えていまして、私の方からは今回のテストに参加させてもらうようにお願いはしてきて、昨日、実現することができました」 「テストについては走る前しか(角田と)会っていないのですが、本人としても『しっかりいい結果を出したい。楽しんで行きます』と。このふたつのことを言っていまして、そのあとは今、私のところにあるのはHRCの現場からのレポートしかありませんが、RBのクルマとレッドブルのクルマの違いを非常に明確に分析していて、それについてはチームに対して非常に役に立つアドバイス、コメントを出している。本人も非常に満足しているということをレポートで確認しています」 「その後は私には分かりませんので、結果を待つことになりますが、うまくいったらいいでしょうし、いずれにしても(レッドブルに乗れなくても)RBでの走行は来シーズンは決まっているので、どのチームで走っても来シーズン、しっかり活躍してくれることを期待しています」 ⚫︎佐藤琢磨HRCエグゼクティブ・アドバイザー「あとは本当に我々としては祈るのみですね」 「自分が見てきた範囲で言いますと、もちろん、裕毅に関してはF1デビューを果たした(2021年)バーレーンGPのQ1(2番手)から、誰もがド肝を抜くようなスピードを見せつけてくれましたし、そこからこの4年間でドライバーとしての成長はずっと右肩上がりだったと思います。この前、久しぶりにイモラ(8月に行われたテスト)で会ったのですけど、非常にリラックスしていたので、本当にいいドライバーになったなと。レースマネジメント、レースクラフト含め、今の裕毅はスピードもありますし、うまくマネジメントする自分自身のセルフコントロールを含めて年齢とともに、経験とともに非常に成長してきたなと思います」 「ですから今、私が話したとおり、期待としてはレッドブルに乗ってもらいたいという気持ちはありますけど、あとはチームマターなのかなと。昨日、裕毅はメディアにも話していましたけど、自分のドライビングスタイルとフロントエンドがシャープなレッドブルのマシンは合っていると話していたので、本人もすごくいいテストができたのではないかと思います。あとは本当に我々としては祈るのみですね」 「当然、裕毅だけではなくて私は歩夢選手のサポートという形で(イモラのテストに)行ったのですが、現場のRBのスタッフ、前身はトロロッソになりまして、自分が2008年にテストをしたメンバーの半分くらいは残っていたんですよね。ですから非常に懐かしい顔がたくさんありました」 「そんな中でいろいろ話していると、やっぱり歩夢の持っている非常に繊細な能力を現場のエンジニアたちがすごく買っていて、シミュレーターで行っているフィードバックも非常に適切ですし、イモラでの実走テストでは(リアム)ローソンが速さを見せたいとかなりプッシュして、ある意味オーバードライブになっていたところ、歩夢は非常にコントロールして走っていたので、現場のエンジニアのフィードバックは歩夢の方がレベルが高かったんですね」 「そういうのを見ると、裕毅も歩夢も本当にいいドライバーになってきているので、ぜひぜひ、ふたりにはいい形でF1に乗ってもらいたい。僕はドライバーとしてはふたりへの期待値が高いので、そういうふうに見ています」 [オートスポーツweb 2024年12月11日]