石破氏、衆院選10月27日投開票の方針を表明
ギャヴィン・バトラー、BBCニュース 自由民主党の石破茂総裁(67)は9月30日、次期首相への就任を前に、10月27日に衆院選挙を実施する方針を明らかにした。新総裁に選出されてからわずか3日後の発表となった。 石破氏は9月27日の自民党総裁選で、他の8人の候補者と争って決選投票の末に勝利し、岸田文雄首相の後継となる総裁に就任した。 自民党は衆参両院で議席の過半数を占めており、石破氏は1日召集の臨時国会で首相に指名される見通し。 ロイター通信によると、石破氏は30日、東京で記者会見し、「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要だ」と述べた。 衆院の任期満了より1年以上早く、衆院選が実施され、どの政党が衆院を掌握するかが決まることになる。 石破氏はこの日、衆院選を共に戦う新内閣や党役員の人事に着手した。党最高顧問に麻生太郎元首相を、副総裁に菅義偉前首相を、それぞれ起用した。 総裁選でライバルとなった、国民に人気の小泉進次郎元環境相は、党選対委員長に充てる。 一方、総裁選の決選投票で僅差で破った保守強硬派の高市早苗経済安全保障相は、石破氏の人事構想には含まれていない。 石破氏は総裁選に勝利したあと、日本の経済を活性化させ、安全保障上の脅威に対処し、自民党を刷新させると表明した。同党はスキャンダルや内部対立でここ数カ月、支持率が急落している。 スキャンダルの主なものとしては、旧統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)の自民党への影響力が明らかになったことや、党派閥が何年かにわたって政治資金を過少申告していた疑惑などがある。 政治資金をめぐる問題は国民の怒りを買い、岸田首相の政治的立場を危うくした。岸田氏は8月、自民党総裁選で再選を目指さないと発表した。 そのときの記者会見で岸田氏は、「今回の総裁選挙では、自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかりと示すことが必要だ」、「そのためには透明で開かれた選挙、そして何よりも、自由闊達(かったつ)な論戦が重要だ」と述べた。 石破氏も総裁就任後、岸田氏の言葉を繰り返し、「自由闊達な議論ができる自民党、公平公正な自民党、謙虚な自民党」であるべきだと訴えた。 自民党はさまざまな不祥事にもかかわらず、戦後のほとんどの期間で日本政治を支配し、現在も最も多くの支持を受ける政党となっている。 (英語記事 Japan's incoming PM announces snap October election)
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