アラエス（右）との首位打者争いに注目が集まる大谷（左）。(C)Getty Images

　不可能を可能に出来るか。大谷翔平の打棒にかつてないほどの注目が集まっている。 　現地時間9月28日、ナショナル・リーグ西地区優勝を飾ったドジャースは、同地区最下位のロッキーズと対戦。「1番・DH」で先発した大谷は5打数2安打、1盗塁と活躍し、チームの13-2の勝利に貢献した。 【動画】米メディアも興味津々！ 大谷翔平＆真美子夫人＆デコピンの3ショット 　この試合を終えた時点での大谷の年間成績は、打率.310、54本塁打、130打点、58盗塁。すでに本塁打と打点ではリーグタイトルを決定的としている偉才は、残す1試合で打率トップのルイス・アラエス（パドレス）を逆転すれば、12年ぶりの三冠王となる。 　ただ、“逆転”の条件はシビアだ。 　28日の試合で左親指靭帯損傷の影響を考慮してスタメンを外れたアラエスは打率.314をキープ。632打数196安打の打率.310で2位につける大谷は、4厘差を追っている状況だが、仮に最終戦で3打数3安打を打っても「.3133」と首位打者にはなれない。 　もっとも、可能性が全くないわけではない。すでにパドレスのマイク・シュルト監督が、最優先でのアラエス出場を明言。仮に先発出場となると、以下の条件で大谷が打率トップに立つ。 アラエス4打数0安打…大谷4打数3安打もしくは5打数3安打 アラエス4打数1安打…大谷4打数4安打もしくは5打数4安打 アラエス4打数2安打…大谷4打数4安打もしくは5打数4安打 アラエス5打数1安打…大谷5打数4安打 アラエス5打数0安打…大谷5打数3安打もしくは4打数3安打 　アラエス次第ではあるが、“最低条件”として4安打が求められる厳しい状況だ。ゆえに現地でも三冠王に対しては諦めムードもある。米紙『Los Angeles Times』のジャック・ハリス記者は「アラエスに追いつく可能性はゼロではないが、それは簡単ではない」と断じている。 　文字通り1打席、いや1球が重要となる中で、集中力を高める大谷が偉業を成し遂げるかに注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]