死を思え【人生が変わるストイシズムの教え】
いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。今回は、古代ギリシアで、元は奴隷だったにもかかわらず、研鑽を重ね、偉大な哲学教師となったエピクテトスの言葉を紹介しよう。 ● 死に向き合う わたしは永遠ではなく、人間だ。 一時間が一日の一部であるように、全体の一部だ。 わたしは一時間として生まれ、ほかの一時間と同じように過ぎ去らねばならない。 ――エピクテトス『語録』(第2巻第5章13) ● 死を思うと、何がしたくなるか? 自分の死に向き合うことは、人生でもっともつらいことのひとつだ。 しかし、エピクテトスが諭すように、死は人間の条件に含まれている。というより、人生で数少ない、確実に起こることのひとつだ。 ストイシズムの教えでは、「私たちの存在ははかない」という揺るぎない事実を尊重し、死の必然性を受け入れ、自分の死を壮大な物語の一部とみなすよう説いている。 (本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)
ブリタニー・ポラット/花塚 恵