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太閤検地時代からの棚田、後世に残したい 兵庫県市川町の棚田LOVER’s

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 人の手が加わった棚田と自然とが見事に調和している。いつまで眺めていても飽きることのない美しい光景。故郷・兵庫県市川町に広がる棚田の姿を後世に残したい。筆者・永菅裕一(35)が理事長を務めるNPO法人棚田LOVER’sは、その思いを町内外の人たちに日々、伝え続けている。

山道上がると15枚、真ん中に小さなほこら

 立春間近の2月2日、兵庫県市川町へ、味噌作り体験会に参加する町外から来た4人が集まった。体験会の合間、4人はワンボックスカーに乗って車1台が通れる山道を、駆け上がった。私がハンドルを左に切ると、目の前に、小学校のグラウンドより少し小さい、15枚の棚田が広がった。  「ここが太閤検地の時代、400年以上前につくられた棚田です。畔の土台となる石積みは当時のまま。棚田の真ん中には、五穀豊穣を願う小さなほこらがあります」。  私の説明にインドネシアのバリ島で棚田を見たことがあるという兵庫県川西市の高校教員安井由美さん(59)は「市川の棚田を見て、石垣で段を組んでいるのに驚きました。美しさや強度だけでなく、灌漑についても計算されていることに感激しました。先人の知恵に触れた思いです」と興味深そうに話した。

自然体験イベントを年間60回、のべ1000人が参加

 味噌作りは、いわば市川町にまず足を運んでもらう「まき餌」の役目。それに加えて、棚田のことを知ってもらう。それが「棚田を守る一歩を踏み出すきっかけになる」との思いから、味噌作りをはじめとする自然体験イベントで自然とのふれあいの大切さを伝えている。  2019年はほぼ毎週、大小約60のイベントを催した。延べ千人余りが訪れ、うち、地元から借り受けた棚田での米育て体験には100人以上が参加した。

 市川町出身の私は大学時代に環境人間学を専攻。2008年に千人が集まった長崎での棚田サミットで見た火祭りで人生が変わった。人の手が加わった棚田が自然と見事に調和していることに気付いた。  大学時代に後輩や教授、地元農家と5人で棚田LOVER’sを立ち上げ、2010年にNPO法人化し、市川町の棚田を後世に残すことを仕事にしている。

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