『紅夢』ほか初期3作品をHDレストア化 『チャン・イーモウ 艶やかなる紅の世界』公開決定
チャン・イーモウ監督の初期3作品がHDレストア化され、『張芸諜 チャン・イーモウ 艶やかなる紅の世界』として12月27日より順次公開されることが決定した。 【写真】チャン・イーモウ監督『紅いコーリャン』場面写真(複数あり) 監督デビュー作である『紅いコーリャン』が第38回ベルリン国際映画祭グランプリを受賞して以来、数々の賞を受賞しているチャン・イーモウ監督。そんな彼がコン・リーとコンビを組んだ初期3作品である『紅いコーリャン』『菊豆〈チュイトウ〉』『紅夢』がチャン・イーモウ監督監修によってHDレストア化された。 チャン・イーモウは、文化大革命後の1980年代に、北京電影学院を卒業した“第五世代”と呼ばれる映画人たちの1人として、“紅”を基調とした作品で知られている。また、『英雄HERO』(2002年)、『グレートウォール』(2016年)などのハリウッド映画も手がけ、2008年夏と2018年冬の両オリンピックの開会式および閉会式の総監督を務めた。 『紅いコーリャン』は、1920年代末の中国山東省の小さな村で、貧しい農家の娘として育った九児(コン・リー)が主人公。家の経済的困窮を救うために、売られたかのような形で造り酒屋の李の元に嫁ぐことになった九児。嫁入りの途中、コーリャン畑で強盗に襲われるが、それを助けたのが余占鰲(チアン・ウェン)だった。嫁入り後再び実家に戻ることになった九児はコーリャン畑で余と再会し、2人は結ばれる。九児は嫁ぎ先に戻るものの夫は行方不明となっており、未亡人となった彼女は代わりに酒屋を切り盛りし、やがて余と結婚する。子供も生まれ、幸せな日々を送っていたが、やがてその村に日本軍が侵攻してきた。 『菊豆〈チュイトウ〉』の舞台も同じく1920年代の中国。染物屋の楊金山(リー・ウェイ)に金で買われて嫁いできた菊豆(コン・リー)は、子供が作れない金山の鬱憤に虐待されて死んだ前妻2人同様に、毎日のように彼から折檻を受けていた。楊の甥であり同居している楊天青(リー・パオティン)はその姿に同情していたが、彼女に思いを寄せ、それを知った菊豆はやがて彼と不倫関係に落ちる。天青の子を身ごもった菊豆は、生まれた息子に天白と名付け、金山の子として育てていく。ある時、金山は脳卒中で倒れ、身体が不自由になった彼に、菊豆は復讐するかのように、天白が金山の子でないことを打ち明けた。 『紅夢』は父親を亡くし、貧しい生活を愚痴る義母から逃げるために、すでに3人の夫人を持つその地の財産家である陣佐千(マー・チンウー)の元へ嫁いだ頌蓮(コン・リー)の物語。各夫人には1院から3院までの住居が与えられており、第4夫人となった頌蓮の4院には、主人の寵愛を受ける赤い提灯が飾り付けられていた。初夜の夜、第3夫人の梅珊(ホー・ツァイフェイ)に邪魔をされた頌蓮だったが、あらためて夫人たちに会うと、彼女たちは陣佐千に寵愛を受けるために生きているかのように見えた。そして愛憎渦巻く夫人たちとの関わりの中で事件が起こる。 公開に先駆け、キービジュアルと予告編も公開。予告編には3作品の場面がそれぞれ切り取られ、「人間の本質は愛や絶望といった感情の中にある」というチャン・イーモウ自身の言葉で締めくくられている。 あわせて、上映劇場にて各作品初回入場者限定でコン・リーポストカード(3種アトランダム配布・限定枚数)がプレゼントされることが決定した。
リアルサウンド編集部