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「自殺が減っても安心はできない」 新型コロナが人の心にもたらした影響は? 精神科医の分析【#コロナとどう暮らす】

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BuzzFeed Japan

子どものメンタルへの影響は?

ーー子どものメンタルへの影響も気になります。休校が続いて、再開してみたら再開したで、友達とあまり親密に話すこともできないし、フェイスシールドをつけたり、席ごとに透明な囲いをしたりして、かなり特殊な環境に置かれています。精神的な影響はありそうでしょうか? もちろん学校の対応としてはやむを得ないことだと思いますし、公衆衛生的には必要なことなのだろうと思います。 でもこれはやはり子ども同士の関係性を作っていく上ではかなりネックになっているだろうなと思うのです。 今は登校時間が短いです。半日だったり、週に3日だけ登校となっています。子ども同士の接触の機会が非常に少ないし、子どもたちは一緒に机を並べることで友達になるわけではなくて、学校の休み時間や放課後の遊びの中で横のつながりを作っていく。 それが今は遮断されています。家が息苦しくて、やっとそこから解放されたと思っても、あまり状況が変わらない。学校もすごく居心地の悪いところになっていて、一定時間我慢して、家に帰ってくるという感じになっているのではないかと推測します。 ーー学校は人間関係を学ぶ場でもあると思うのですが、接触したり、飛沫が飛ぶぐらい近くに寄ってしゃべったりということが人間関係を作っていく上で重要なのですかね。 専門外なので偉そうなことは言えません。ただ、人類が爆発的に地球上で人口を増やしたきっかけはいくつかあると思うのですが、やはり集団での定住だと思うのです。 集団で定住して、穀物を作ったりするところから始まった。 考えてみれば人間って他の動物に比べて足は遅いわ、けんかは弱いわ、樹上の移動も苦手と、動物として弱い。特に自分の命を守る上で欠かせない逃げ足については、他の動物の方が圧倒的に速いです。遅いと言われているカバだって全力疾走するとウサイン・ボルトと同じぐらいの速さで走りますからね。 動物の中の劣等生の人間が生き残ってこれたのは、どう考えても集団で暮らすからだと思います。ただ集団で暮らすことによって感染症も登場したのですけれどもね。 ーー感染症予防ということだけを考えると、人間関係を作るのに必要なものを全て否定しなければいけない。 そうですね。本当にそう思います。 【松本俊彦(まつもと・としひこ)】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部長、薬物依存症センター センター長 1993年、佐賀医科大学卒業。2004年に国立精神・神経センター(現国立精神・神経医療研究センター)精神保健研究所司法精神医学研究部室長に就任。以後、自殺予防総合対策センター副センター長などを経て、2015年より現職。日本アルコール・アディクション医学会理事、日本精神救急学会理事、日本社会精神医学会理事。 『薬物依存とアディクション精神医学』(金剛出版)、『自傷・自殺する子どもたち』(合同出版)『アルコールとうつ・自殺』(岩波書店)、『自分を傷つけずにはいられない』(講談社)、『よくわかるSMARPP あなたにもできる薬物依存者支援』(金剛出版)、『薬物依存症』(ちくま新書)など著書多数。 この記事は、Yahoo!ニュースの記事に寄せられた声を参考に取材・制作しました(BuzzFeed JapanとYahoo!ニュースの共同企画です)。 ※この記事のコメント欄に、さらに知りたいことや専門家に聞いてみたいことなどがあればぜひお書きください。次の記事作成のヒントにさせていただきます。

岩永直子

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