【ボクシング】元王者・久保が丁寧に再起/岩川が2年ぶりの王座戦でV1/大場、6年ぶり白星ならず
打たせないボクシングにこだわる岩川は、スッと体を寄せたり、パンチを打たれない位置に頭を持っていったりする巧みさを見せるが、腕を巻き込んでしまう鈴木とのクリンチのシーンが増えた。 驚異的なスタミナで、ひたむきに手数を出し続ける鈴木は、一見すると派手に見えたかもしれない。が、鈴木の入り際や、インファイトで的確にヒットを奪っていたのは岩川。ずらしの防御テクニック同様、玄人好みのスタイルは健在だった。 しかし、この日のスコアのように、完全にアピールするには物足りない部分があるのも事実だ。最終10回、岩川は鈴木のブローに相打ちのタイミングで左右フックを出し、すべて先に当てることに成功した。危険がともなうことには違いないが、岩川の見切りがあれば、もっと早い回から仕掛けられたはず。そうなれば、展開も違ったものになったはずだ。 2年越しの初防衛となった岩川の戦績は16戦10勝(3KO)5敗1分。初の世界戦に惜敗となった鈴木は15戦10勝(1KO)4敗1分。
■バンタム級6回戦 ○ 湊 義生(JM・加古川) 大場 浩平(SUN-RISE) TKO2回32秒 2014年9月以来、6年ぶりのリング復帰となった元日本バンタム級王者の大場(35歳)だが、2018年フライ級全日本新人王の湊(22歳)が開始早々から左フックでプレスをかけて、ロープを背負う立ち上がり。 2回、湊が右ストレートをヒットして大場からダウンを奪うと、立ち上がった大場に湊がラッシュ。防戦一方となった大場をレフェリーが救った。 昨年は現・日本フライ級王者ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、日本ユース・フライ級王者の白石聖(井岡)と対戦し連敗していた湊は、新人王戦以来の勝利で12戦9勝(4KO)3敗とした。大場は41戦36勝(14KO)4敗1分。
ボクシング・マガジン編集部