東北から直通新幹線 コロナで中断、5年ぶり
●金沢で320人降車、観光へ ●JR東「能登を元気に」 新幹線で東北と北陸を直通で結ぶ臨時列車「北陸まっしぐら~冬の陣~」号が29日、運行された。コロナ禍を経て5年ぶりの運行で、北陸新幹線金沢―敦賀の開業後は初。金沢駅では停車駅で最も多い約320人が降車し、観光に繰り出した。JR東日本の担当者は、能登半島地震からの復興に向け「東北から多くのお客さまが能登を訪れ、地元が元気になってもらえれば」と期待を込めた。 【写真】臨時列車から降りる団体観光客 臨時列車は、東北新幹線の盛岡駅から北陸新幹線の敦賀駅まで限定1往復で運行し、仙台や福島、富山、金沢、福井などに停車。通常は北陸新幹線などを走るE7系の車両を使い、車内で北陸三県の郷土芸能披露などさまざまなイベントも開く。 仙台駅から乗車し、金沢で観光するという宮城県登米市の60代女性は「兼六園のライトアップが楽しみ。カニなどおいしいものも堪能したい」と笑顔で話した。 盛岡駅を午前6時28分に出発した列車は、同11時22分に金沢駅に到着。改札前では石川県観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」やミス加賀友禅、県職員らが横断幕を掲げたり、観光パンフレットを渡したりして出迎えた。 今回初めて直通新幹線が走った岩手県から息子2人と訪れた木村美里さん(43)は「岩手から北陸への新幹線はなかなかないので、乗りたいと思った」と話した。金沢市内やトレインパーク白山を訪れる予定で、息子の奏太さん(10)は「新幹線を見るのが楽しみ」と笑顔を見せた。 臨時列車はJRグループ6社による北陸旅行の企画「北陸デスティネーションキャンペーン」の一環。29日に出発する1泊2日のツアーに約700人が参加した。