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朝鮮人虐殺から97年、記憶の継承に妨害も 関東大震災直後、官憲の隠蔽で全貌見えず

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 1923年に起きた関東大震災直後に軍や警察、自警団が虐殺した朝鮮人らを追悼する式典が、地震発生から97年となった9月1日、東京都墨田区の都立横網町公園にある追悼碑の前で行われた。昨年は式典が日本をおとしめるものだと主張する団体がヘイトスピーチを交えた妨害を行い、今年は都が式典開催に一時条件を付け、批判が出て撤回した。記憶を継承しようとする努力とそれを妨害する動きがせめぎ合う中、虐殺の全貌は当時の官憲による隠蔽(いんぺい)により、発生から100年を前にいまだに見えないと関係者は指摘する。(共同通信=粟倉義勝)  ▽読経  「今年も小池百合子都知事はこの追悼式にメッセージをくださいませんでした。しかし自治体の首長たる知事が謝罪してこそ都民も同じように反省と謝罪、そしてこのような悲劇の事件を二度と起こさないと、決意に目覚めるというものです」  コロナウイルス感染を警戒し一般参加を制限した今年の式典の読経には、小池知事への注文の言葉が入った。

 小池氏は2017年から、歴代知事が続けた追悼式への追悼文送付をやめた。殺人の被害者を天災による死者と区別しない姿勢で、虐殺の事実にも「さまざまな見方があり、歴史家がひもとくものだ」と評価を口にすることを避けている。  同じ17年、追悼碑から数十メートル離れた場所で、虐殺の事実に疑念を呈する団体「そよ風」が追悼式と同じ時間帯に地元住民の慰霊を名目に集会を始めた。  参加者らは1973年に建てられた追悼碑に刻まれた「6千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われた」との文言を問題視する。被害者数を「233人」と記す公文書の存在を根拠に、6千人は捏造(ねつぞう)された数で、追悼式は日本人の名誉を傷つけていると主張する。昨年の集会は大音量のスピーカーを追悼式に向け、参加者が「不逞(ふてい)朝鮮人に身内を殺された日本人たち…」と口にした。  被災地で虐殺の直前に飛び交った「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「暴動を起こした」とのデマを下敷きに、加害と被害の側を逆転させた言葉で、東京都人権部は今年8月、都の条例に基づき審査した結果ヘイトスピーチにあたると公表した。

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