金相場、勝ち組から一転して負け組に-今年は30年で最悪の滑り出し
(ブルームバーグ): 2020年に10年ぶりの年間上昇率を記録した金相場は、大きな期待とともに今年を迎えた。しかし実際にはこの30年で最悪の滑り出しとなっている。
金のスポット価格は19日、7カ月ぶりの安値に下げ、先物価格も落ち込んだ。今週には売りのサインとされるデッドクロスが形成され、下げが加速した。
金相場は昨年、新型コロナウイルス流行で逃避先を求める動きや低金利、景気対策を手掛かりに上昇した。しかし今年に入ってからは7%余り下落し、ブルームバーグ商品指数で最悪のパフォーマンスを記録。予想外のドルの強さや、コロナ禍からの順調な回復を示す経済統計を背景にした米国債利回りの上昇など、突如として多くの思わぬ逆風に直面している。
ゼイナー・グループのシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏は「利回り上昇やインフレ期待の高止まりで金の利益確定が多く見られており、金から銅などの産業用金属に乗り換える動きがある」と指摘した。
原題:Gold Goes From Commodity Leader to Laggard in Shocking Reversal(抜粋)
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Yvonne Yue Li, Joseph Richter