松本抜きでも「水曜日のダウンタウン」が強い理由 パワーダウンせずに世間の話題にのぼり続けている
この番組は、ダウンタウンの冠レギュラー番組ではあるが、ダウンタウンや松本そのものの面白さをメインコンテンツにしていない。番組側が面白いVTRを作っていて、松本はそれを見てコメントをする役割に徹していた。番組の軸を松本が握っていなかったからこそ、彼が抜けてもパワーダウンすることがなかったのだ。 もちろん、この番組であっても、松本が抜けたこと自体は痛手ではある。VTRを見た後の松本の短くて鋭いコメントの切れ味は抜群だったし、スタジオに彼がいることが出演する芸人やタレントのモチベーションにつながっていた面もある。ただ、それでも何とか持ちこたえているのは、番組の芯の部分のクオリティが高いままだからだ。
『水曜日のダウンタウン』は現代バラエティの最高傑作の一つである。2人の船頭のうち1人を失った今でも、その輝きは失われていない。
ラリー遠田 :作家・ライター、お笑い評論家